阪急杯に出走予定のグレナディアガーズ(c)netkeiba.com、撮影:小金井邦祥
優勝馬には、高松宮記念への優先出走権が付与されるレースで、13年ロードカナロア、14年コパノリチャード、19年ミスターメロディーが、このレースを使って本番を制しているように関連性の高いレースであると同時に、このコースはいわゆるリピーターが多いことでも知られている。コース適性も十分に考慮したい。
◎グレナディアガーズは一昨年の阪神カップ優勝馬で、連覇を狙った昨年の同レース2着馬。2歳時には朝日杯フューチュリティSも勝っている。結果論ではあるが、本質的にスプリンターではない同馬にとって外枠を引いた高松宮記念、そしてロイヤルアスコットのプラチナジュベリーSは厳しいものとなったが、得意とする距離コースならば話が違うはず。サウジアラビアの1351ターフスプリントも視野に入っていたようだが、このレースへと舵を切った以上、見苦しいレースはできないはずだ。
〇アグリは2つの阪神1400m戦含む3連勝中。デビューした当初は心身ともにまだ幼く、素質の高さを生かしきれていなかったが、昨年夏から本格化。欧州の芝短距離で活躍した父カラヴァッジオ譲りのスピードを生かした先行力を武器に重賞タイトルを狙える位置までやってきた。とくに前走の六甲アイランドSで記録した1分20秒3は、楽に抜け出してゴール前では流す余裕を見せながらも翌週に行われた阪神カップと0.1秒差。初めて経験する重賞のプレッシャーに耐えることができればニュースターの誕生だ。
▲サトノラムセスはトリトンS優勝馬。デビュー戦からマイル以上の距離を選んで使われてきたが3走前から1400mを使うようになって8着→2着→1着とペースに慣れて成績も安定してきた。祖母がロンドンブリッジという名血。母サトノエカテリーナはダイワエルシエーロの半妹で、キセキの母ブリッツフィナーレの全妹。重賞挑戦は3歳春アーリントンC以来となるが、格負けはないはずだ。
△ホウオウアマゾンは一昨年の阪神カップ2着馬で、スワンS3着馬。昨秋のスワンSは1番人気に支持されたが、休み明けで息切れ。捲土重来を期したマイルチャンピオンシップは最後の直線でも抵抗していたがまともに不利を受けた。抜け出す脚はなかったと思うが、着順ほど悪い競馬ではなかった。
△ルプリュフォールは重賞初挑戦となった昨秋のスワンS3着で、阪神カップは13着。強烈な末脚を武器とする馬でスワンSはメンバー最速の33.5秒の末脚で0.2秒差まで追い上げたが、前走は前が空かずに最後の直線で急ブレーキをかける場面もあった。ここもイチかバチかの直線勝負だろうが、ハマれば突き抜けるだけの脚力を持っている。
前々走の阪神カップも着順イメージほど負けていない△ミッキーブリランテも侮れない存在だ。