【12年皐月賞プレイバック】18番手から“ゴルシワープ” 名手の好判断とパワフルな走りでGIタイトル獲得

2023年04月13日 19:07

12年の皐月賞を勝利したゴールドシップ(写真左、撮影:下野雄規)

 クラシック三冠の初戦を飾る皐月賞(3歳牡牝・GI・芝2000m)。本稿ではゴールドシップが勝利した2012年のレースを振り返ってみたい。

 ゴールドシップは父ステイゴールド、母ポイントフラッグ、母の父メジロマックイーンという血統。同じ父・母父の組み合わせから3冠馬オルフェーヴルなど多数の活躍馬が誕生しており、強力なニックスの関係として知られる。

 11年7月に札幌競馬場で迎えたデビュー戦を勝利し、続くコスモス賞も制して重賞戦線に加わる。札幌2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳Sでは追い込み及ばず2着だったが、年明けの共同通信杯では先行押し切りの競馬で惜敗続きにピリオド。重賞タイトルを引っ提げてクラシックに向かった。

■18番手から生まれた伝説

 12年の皐月賞は混戦模様だった。スプリングSを制したグランデッツァが単勝3.1倍で1番人気に推されたが、連勝中のワールドエースが3.2倍と抜けた馬は不在。当時は共同通信杯→皐月賞のローテに馴染みが薄かったこともあってか、ゴールドシップは7.1倍の4番人気だった。

 ゲートが開くとメイショウカドマツとゼロスが飛び出し競り合う格好。早くも縦長の展開になる中、ゴールドシップは好スタートから控えて最後方に構えた。直前の短い中山で18番手から差し切るのは容易いことではないが、鍵は“内が大きく荒れた馬場”だった。

 当日の中山は前日からの雨で馬場が傷み、前半戦から外差しの傾向。9Rでは内を7、8頭分空けて走るほどになっていた。内田博幸騎手はゴールドシップの力強い走りなら荒れた馬場もこなせると判断。「大外を回るぐらいなら…」と、距離ロスを考え後方の内ラチ沿いにこだわったのだ。

 1000m通過が59.1とハイペースになり、3コーナーからは馬群が凝縮。ほとんどの馬が大外を選択し、かなりの距離ロスを強いられる中、ゴールドシップと内田騎手は荒れた最内を突き進んだ。ショートカットするように内からマクって3番手まで上昇すると、直線でも勢い衰えず2馬身半差で快勝。3〜4コーナーの走りは“ゴルシワープ”と称され、今なおファンの中で語り草になっている。

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