昨年、絶好調だったG1企画「展開王」。今春も展開から勝ち馬を導き出す。3歳マイル王決定戦「第28回NHKマイルC」は美浦取材班の鈴木智憲記者が担当。確たる軸馬が見当たらず混戦模様だが、こんな時は格よりも調子を重視。
トライアルを制したあの馬を本命に推した。
今年のNHKマイルCは何が1番人気になるかも分からないほどの混戦模様。スポニチ東京本社の高木記者も重賞未勝利の
モリアーナを抜てきしている。格なら朝日杯FS勝ちの
ドルチェモアが最右翼なのだろうが、前走のNZT7着が負け過ぎで一変まではどうかと思う。こういう混戦の時は調子の良さを買って、前走勝ちの馬を狙っていきたい。
◎は脚質的に展開が向きそうな
オオバンブルマイにした。逃げ、先行馬が多くそろってテンからハイペースになりそう。絶好の最内枠を引いた
フロムダスクが、何が何でもハナを奪いにいくはず。そこへ
ユリーシャが並びかける。さらに
ショーモン、
オールパルフェ、
ドルチェモアも絡んで、道中で息を入れる間はなさそうだ。
好位抜け出しの
エエヤンはそれら先行勢の後ろで虎視眈々(たんたん)。
セッション、
カルロヴェローチェもその辺りに位置取りそう。武豊騎乗の
オオバンブルマイはその1列後ろで、それら有力どころの動向を視野に入れつつ折り合いに専念。
モリアーナ、
ウンブライル、
ダノンタッチダウンの末脚勝負型は後方で脚をため、525メートルある最後の直線までジッと待つ。
その隊列のまま、アッという間に4角へ。オーバーペースでバテた先行勢をさばいて
エエヤン、
セッション、
カルロヴェローチェが坂下で早くもつばぜり合い。それらの動きを見た武豊
オオバンブルマイはひと呼吸置いて
ゴーサイン。競り合いを制して粘り込みを図る
エエヤンを目がけて、外から差し脚を伸ばす。そこへ直線に懸けていた
ウンブライル、
モリアーナが襲いかかる。ゴール前は写真判定必至の際どい勝負になる。
今年のNHKマイルCは
スピードよりも、スタミナ(
スピードの持続力)&勝負根性に勝っている馬が台頭すると読む。つまり前走アーリントンCで重馬場をものともせず、頭差差し切った
オオバンブルマイ向きの舞台。天気予報通り雨が降るようなら、さらに戴冠への後押しになる。(10)から。