◆第158回アイリッシュダービー・G1(7月2日、カラ競馬場・芝2400メートル=9頭立て)
ディープインパクト産駒の最終世代、
オーギュストロダン(牡3歳、アイルランド=エイダン・オブライエン厩舎)が優勝。前走の英ダービーに続き、同産駒による初勝利を挙げた。英、愛の2か国ダービー制覇は2016年の
ハーザンド以来となる快挙だ。管理するエイダン・オブライエン調教師は2006年〜2012年までの7連覇を含む、2020年の
サンティアゴ以来となる15勝目。騎乗したライアン・ムーア騎手=英国=にとっては初勝利だった。勝ち時計は2分33秒24(良)。
1番ゲートからスムーズにスタートを切ると、3番手のインを追走。道中では前にいた同厩舎の
サンアントニオが落馬するアク
シデントがあったものの、楽な手応えのまま4角先頭で最後の直線へ。先頭で並んでいた
アデレードリバーを難なくかわすと、ゴールまで脅かすラ
イバルもなく、1馬身半差をつけて3つ目のG1タイトルを手にした。2着には逃げた
アデレードリバー。3着のコ
ベントガーデンと4着のペキンオペラまで、Aオブライエン厩舎勢が上位を独占した。
同馬は母ロードデンドロンがG1・3勝馬で、伯母にもG1・7勝の
マジカルがいる良血馬。愛国の
クールモアスタッドで2020年に生まれた。2歳時に英国のフューチュリティTでG1初制覇。今年初戦で1番人気に支持された英2000ギニーは12着と完敗だったが、続く英ダービーでは直線で力強い伸び脚を繰り出し、歴史的な偉業となる勝利をつかんだ。今回は初勝利を挙げたデビュー2戦目以来、約1年ぶりとなる愛国でのレースだったが、しっかりと結果を出した。
ディープインパクトのラストクロップは希少で、日本ではわずか6頭のみ。ダービー出走もかなわなかった。しかし、遠く欧州の地で世界的名トレーナーが育て上げた産駒による快進撃。すでに英国の大手ブックメーカー、ウィ
リアムヒル社では凱旋門賞・仏G1(10月1日、仏パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)のオッズで2番手に設定されているほど注目を集めている。今後は偉大な父が残したDNAの力を、さらに世界へ発信していく。