デビュー戦を快勝したスカイキャンバス(撮影:山中博喜)
近年の函館2歳ステークス(2歳・GIII・芝1200m)では前走1000m組の好走が目に付く。20年は2頭出走でリンゴアメ(10番人気)が1着、ルーチェドーロ(4番人気)が2着のワンツー。21年は1頭出走でカイカノキセキ(2番人気)が2着。そして昨年は3頭出走でオマツリオトコ(8番人気)が3着に食い込んだ。このうちルーチェドーロとオマツリオトコは函館2歳Sが初芝だったので、前走が芝でもダートでも要注意といえる。
今年はスカイキャンバス(牝2、美浦・武井亮厩舎)、ゼルトザーム(牡2、栗東・加用正厩舎)、ナスティウェザー(牡2、美浦・加藤征弘厩舎)の3頭が前走1000mからの臨戦となる。スカイキャンバスは唯一の芝1000m組。前走の勝ち時計57秒5は、近10年の函館芝1000mの新馬14鞍の中で3位タイの好時計だった。当時は逃げ切りだったが、レースセンスの良さを感じさせるので、仮に控える競馬になっても問題なさそうだ。
ダ1000m組の2頭も侮れない。ゼルトザームはヘニーヒューズ産駒だけにダート向きのイメージだが、母ロザリウムはジャパンCを制したローズキングダムの全妹。母系から芝適性を受け継いでいれば、ここでも一発があっていい。もう1頭のナスティウェザーは父がパイロ、母もダートで走ったレッドフェザーという血統。それだけに芝替わりがどうかだが、初戦のラスト1F10秒9は数字も見た目も圧巻だった。このスピードを芝でも発揮できれば侮れない存在となる。
今年も魅力たっぷりの前走1000m組。上位独占の場面があっても、決して不思議はない。