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森泰斗で始まりソダシで終わったトーラスジェミニの数奇な馬生

2023年07月25日 11:35

21年の七夕賞を制したトーラスジェミニ(手前)

 21年の七夕賞を勝ったトーラスジェミニが7月12日に競走馬登録を抹消された。18年7月のデビューから43戦8勝。重賞以外にもリステッドを2勝(20年ディセンバーS、21年東風S)するなど優秀な成績を残し、第2の馬生はJRA馬事公苑でスタートする。

 管理した小桧山悟調教師に振り返ってもらうと、2度の転機があったという。「森泰斗騎手に乗ってもらって、次の週から馬が変わった。堀内(岳志調教師、当時は小桧山厩舎の助手)が報告してきたんだけど、本当にそうだった」。キャリア2戦目の18年7月の未勝利戦は船橋所属の森泰斗騎手を鞍上に迎えた。結果は10着に終わったが、闘魂を注入されて心身で激変。4戦目で初勝利を挙げると、同年11月の百日草特別(現1勝クラス)を勝ってオープン入りを果たした。翌20年は6月のエプソムC・G3で3着と好走した後、7月の巴賞を勝って再度、オープン馬の仲間入り。21年の安田記念では13番人気ながら5着と健闘し、七夕賞での重賞初制覇につなげた。

 ここまでは順風満帆だったが、2度目の転機は七夕賞の次戦、札幌記念で訪れる。重賞ウィナーとしてスーパーG2に堂々挑み、果敢にハナを奪ってレースを引っ張ったが、2番手で運んでいたソダシに3コーナー過ぎで並びかけられると急失速。小桧山調教師は「ジョッキー(横山和生騎手)の話だと、ソダシが横に並んだ瞬間にフワ〜ッとなって全部の手応えがなくなっちゃったと。すべてのガスが抜けちゃったみたいに」と当時を振り返った。

 取材をしていると同じような話は時々、耳にすることがある。G1や重賞で強い馬にもまれたとき、歯を食いしばって食らいつくのか、ああもう無理だと気力を失ってしまうかで競走生活は大きく変わってしまう。トーラスジェミニは高い壁を乗り越えることができず、その後は1勝もできずに23年の七夕賞(16着)がラストランとなった。

 それでも小桧山師は「あんなに走るとは思ってなかった。何億の馬ではなく、700万円の馬だからね」と笑顔で愛馬の功績をたたえた。来年2月で調教師を引退する小桧山師よりひと足早く現役生活に別れを告げたが、馬事公苑で乗馬の調教を積んだ後は、重賞を勝った思い出の地・福島競馬場で誘導馬となる予定だ。(中央競馬担当・西山 智昭)

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