2日間連続重賞の第2弾は伝統の3歳戦、第52回戸塚記念・SI。川崎競馬場で12頭が争う。舞台となる2100mは川崎記念・JpnI、関東オークス・JpnIIが開催されるチャンピオンディスタンス。コーナーが6回あり、直線の長い小回りコースは実力が出やすい形態で、これまでの優勝馬には今月6日の東京記念・SIを制したセイカメテオポリス、2冠牝馬のスピーディキックなど名馬がズラリと名を連ねる。
今年も好メンバーが勢揃い。その1番手は、前走の黒潮盃を制したヒーローコール。南関クラシックの羽田盃、東京ダービーは無敗の3冠馬となったミックファイアを相手に2着に甘んじたが、宿敵不在の前走、黒潮盃では持ち味の先行力を存分に発揮。2、3番手を追走し、直線では迫る後続を振り切る根性の競馬を展開した。先頭でゴールした瞬間、鞍上の森泰斗騎手は何度も拳を握りしめガッツポーズ。その快心の一戦を「前で競馬をし、しぶとさを生かすいい競馬ができた」と振り返った。この時の斤量は58kgだったが、「今回は56kgになる。距離が延びるのも歓迎」と重賞連勝を狙う。久々の川崎だが、2歳時に4連勝で鎌倉記念を制した舞台。ここも、好勝負が期待できる。
その黒潮盃で2着と涙を飲んだマンダリンヒーロー。負けたとは言え、アメリカからの帰国初戦で、直線で鋭く脚を伸ばしての0秒3差の2着と力を見せており、決して悲観する内容ではない。ここへの追い切りはJRA2勝クラスから転入してきたミッションレールと併せ半馬身先着。余裕のある走りで65秒0-51秒7-37秒6の好タイムをマークしている。藤田輝調教師は「前走は3コーナーでフワフワしてしまった。一度叩いて、いい感じになっている」とほどよく気合いも入り、上昇の手応えを感じている。サンタアニタダービー2着馬の本領発揮だ。
東京ダービートライアルを勝ち、本番の東京ダービーで3着と気を吐いたナンセイホワイトも侮れない。1週前追いはマンダリンヒーローを相手に併入し、当該週は3歳馬のハートフルアースをパートナーに最終調整を実施。気迫のこもった迫力満点の走りを披露し、62秒6-49秒7-35秒6の好時計を叩き出し1馬身先着した。米田英調教師は「使いながら競馬がうまくなっている」と成長の手応えを感じ取っており、一発があって、おかしくない存在だ。
また、地元・川崎からはトライアルの芙蓉賞で3着となり、ここへの権利をつかんだヴァレンティヌスが参戦。同レースは転入初戦だったが、地方馬場適性を証明した。武井和調教師は「前走後はここを目標に順調。本馬場での追い切りを2度こなし、前走とは動きが違う。距離は合っているし、強敵を相手に、どんな競馬をしてくれるか」と期待している。さらに、川崎勢は東京湾Cの覇者・ライズゾーンも控えている。
各馬、ここに向けて入念な調整を行いスタンバイ。決戦の時は14日。20時10分だ。
(文:スポーツ報知記者・志賀浩子)
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