「有馬記念・G1」(24日、中山)
イブ決戦に個性的なメンバーが集結。うち9頭の父はいずれも
グランプリを制した名馬だった。全5回で、父の輝かしい蹄跡を振り返る。
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牝馬2冠を達成した
ブエナビスタをはじめ、7頭が名を連ねた3歳世代が注目された09年の
グランプリ。しかし、頂点を極めたのは5歳馬の
ドリームジャーニーだった。
前走の天皇賞・秋は6着に敗れたものの、同年の宝塚記念を勝つなど、力は現役馬でも屈指。「絶対に獲る気持ちで自分にプレッシャーをかけてきた」と池添が振り返るように、古馬の王者として負けられない戦いと位置付けていた。
道中は
リーチザクラウンが刻むハイペースを15番手で待機。13戦連続で手綱を取り続ける主戦は、相棒を信じて末脚勝負を決め込んだ。向正面では故障したスリーロールスと接触するアク
シデントもあったが、それをも乗り越えるのが古馬の意地。3角から進出し、手応え十分に直線へ。残り200メートルからは1番人気
ブエナビスタとの一騎打ちになったが、「勢いが違った。全部かわせると思った」。鞍上の思いに応えるがごとく、自慢の末脚を遺憾なく発揮した。
この勝利で、
ドリームジャーニーは06年ディープインパクト以来、史上9頭目の同一年ドリームレース連覇を達成。のちに
オルフェーヴルや
ブラストワンピースでも暮れを制すことになる“
グランプリ男”池添の一里塚となったレースだった。