◆第42回マイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)
V字回復でG1初制覇だ。前走の毎日王冠で重賞4勝目を挙げた
レーベンスティール(牡5歳、美浦・田中博康厩舎、父
リアルスティール)は、完全復活ムードが漂っている。前走後に福島・ノーザン
ファーム天栄で短期放牧を挟んだが、田中博調教師は「変わらずいいところである前進気勢が強くて、トモ(後肢)の左右差も許容範囲ですね」と好気配に手応えをつかんでいる。
好メンバーだった前走を快勝して、再び軌道に乗った。好位3番手でうまく脚をためて、直線で堂々と抜け出す横綱相撲。強さが際立った走りに指揮官は「これなら走れるなという雰囲気で送り出して、ジョッキーも上手に乗ってくれた」と納得。期待通りに結果を出せたことが、何より大きな収穫となった。
2走前のしらさぎS(7着)以来、2度目のマイル戦。距離への対応が大きなポイントになるが、当時と比べて出来は雲泥の差がある。トレーナーも「しらさぎSは休み明けでつくりきれず、この子の良さである前進気勢がなく、レース当週にスクミも出てしまった」と振り返る。当時は栗東に滞在したが、今回は美浦で慎重な仕上げ。満足のいく出来で本番を迎える。
全休日明けの11月18日は、美浦・坂路を61秒7―14秒4で駆け上がって調整した。田中博師は「順調だと思います。1週前(追い切り)に上野ジョッキーに乗ってもらった際も、前回の1週前と比較してもいいと言っていました」ときっぱり。初の京都コースも「やってみないと分からないが、右回り自体は大丈夫」と割引材料とは考えていない。名手レーンとの久々のコンビも頼もしく、一発ムードまで漂ってきた。
(坂本 達洋)