07年に行われたジョッキーマスターズでの中野栄治調教師(撮影:下野雄規)
2月いっぱいで7人の調教師が定年を迎える。ここでは美浦所属の3人を振り返る。
騎手、調教師の双方でGIを制したのは中野栄治調教師だ。騎手としてJRA通算370勝。アイネスフウジンとのコンビで知られ、89年の朝日杯3歳Sで36歳にしてGIジョッキーの仲間入りを果たした。そして翌90年には日本ダービーを制覇。約20万人の大観衆からのナカノコールは競馬史に残る名シーンとなっている。調教師としてもトロットスターで01年の高松宮記念とスプリンターズSを勝利。先日の日経新春杯を
ブローザホーンで制したのは記憶に新しいところだ。
小桧山悟調教師はマルチな才能でファンを魅了した。調教師としては
スマイルジャックや
トーラスジェミニなどの個性派を管理。競馬週刊誌で連載を持つなど、物書きの一面もあった。一方、相撲ファンとしても知られ、息子の中学時代の同級生である稀勢の里の私設後援会会長も務めた。また、父の仕事の関係で69年から70年にかけてナイジェリアで暮らした経験があり、16年には「GORILLA MY GOD 我が神、
ゴリラ」という
ゴリラの写真集を出版した。
高橋裕調教師は8頭の重賞ウイナーを送り出した。93年の共同通信杯4歳Sでは4番人気の
マイネルリマークで大本命だったビワハヤヒデを破り、JRA重賞初制覇。以降も97年の青葉賞を制して日本ダービーや菊花賞に出走した
トキオエクセレント、07年の兵庫ジュニアグランプリを制すなどダートで活躍した
ディアヤマトなどを管理した。最近では
ディアドムスで14年の全日本2歳優駿を制し、初のGI級タイトル獲得を果たしている。