「札幌2歳S・G3」(31日、札幌)
中団を進んだ3番人気の
マジックサンズがデビュー2連勝で重賞を制した。距離ロスをいとわず馬群の外を回り、直線で力強く伸びた。最後は内で抵抗する
アルマヴェローチェとのたたき合い。「もう少し。耐えてくれ」。若武者・佐々木の必死の手綱に応えて鼻差競り勝った。
厩舎の作戦もハマった。須貝師は初手から馬群の外を指示していた。「大輔には出たら最短で(馬場の)いい所に出して行けと。理想の競馬だったね。抜けるのが早くてヒヤッとはしたけれど」。鼻差での勝利でも、手応えの差は明白だった。
須貝厩舎は当レース4勝目。そのうち
レッドリヴェール、
ソダシの2頭はのちにG1馬になった。
マジックサンズにも、ここを登竜門とした大出世の期待が懸かる。
サトノカルナバルで制した函館2歳Sに続き、自身重賞2勝目を飾った佐々木は「僕自身がクラシックに乗ったことがないので分かりませんが、もう少し上でもやれる馬だと思っています。楽しみです」と称賛した。
指揮官は「まだ成長の段階だけれど、このまま成長して、経験を積んでくれたら。
ソダシや
ゴールドシップ(11年札幌2歳S2着)とはタイプも違うから、比べるのは難しいけれど」と控えめながらも、まんざらでもない様子。若駒の段階からハードトレーニングに耐えて晩夏に賞金を確保したのは先輩たちと同じ。
マジックサンズもここからきっと、怪物への階段を上がっていく。