【佐賀競馬】レトロな手書き黒板終了の一方、AI予想スタートで進化を遂げる佐賀競馬

2024年10月18日 17:00

昨年のJBCスプリント覇者イグナイター(撮影:高橋正和)

 JBC初開催に向け、佐賀競馬場がどんどんリニューアルしている。

 最たるものはパドックでの出馬表の表示方法。従来は特大の黒板にチョークで手書きされており、姫路競馬場や水沢競馬場とともに数少ない手書き出馬表として競馬ファンから愛されてきた。

 字体は競馬場によって個性があり、姫路は縦長の独特な字体なのに対し、佐賀はゴシック体のイメージに近い。1レース毎に担当者が丁寧に馬名を記し、誤りがないかを確認してクルッと黒板を回すことで、ファンにお目見えしていた。

 しかし、整った字と等間隔で手書きをするのは職人技。後継者不足も相まって9月29日をもって終了となった。

 最終日の最終レース出走馬が去ったパドックでは、黒板に「辞めないでの声に涙腺が緩む。全国から佐賀自慢の黒板とエールをいただいた。いま左手にビジョンができて引退の時。しのぶ声あれば、いつかまたきっと。さあ、いよいよがばいJBC」(全文カタカナ表記で、句読点なし)と、愛してくれたファンへメッセージが手書きされた。

 縦読みすると「やるぜJBC佐賀」。レトロさも愛された手書き出馬表の終了は寂しいが、JBC初開催へ向けた強い意気込みも感じる。

 その後を引き継いで現れたパドックビジョンはすでに今月から運用を開始。JBC当日はここにJBCスプリントで地方馬初の連覇を目指すイグナイターや、レジェンド・武豊騎手の名がデジタル表示されることだろう。

 そのJBCは地方競馬の関係者が「小回りの佐賀コースは大いにチャンスがあると思う」と口にする。というのも、昨年JBCが行われた大井競馬場は1周1600m(外回り)と広く、実力勝負となりやすいが、佐賀は1周1100m。直線もゴールまで200mの小回りで、展開やペース、騎手同士の駆け引きで多くの馬にチャンスが生まれる。

 イグナイターの新子雅司調教師は「佐賀コースは最も合うと思います。内を空けて走りますしね」と期待を寄せる。また、JRA馬の中でもJBCレディスクラシックを予定しているライオットガールは先行タイプとあって、陣営は「佐賀で巻き返したいですね」と意気込む。

 そうした人馬の様子をスタンドから見ることもできるようになった。これまで検量室や馬道とファンエリアを隔てていた木を伐採。レース後の姿や、夏場はシャワーで出走馬たちがクールダウンする様子も見える。

 また、ウイナーズサークルも新設。9月29日の重賞・ロータスクラウン賞から使われ、高知からの遠征で勝ったバレンタインガールが早速口取り撮影を行った。

 11月4日JBC当日は10時開場。県外から最もアクセスがいいJR九州新幹線・新鳥栖駅からは9時から無料シャトルバスが運行し、10時からは駅前不動産スタジアム駐車場や鳥栖市役所臨時駐車場からもシャトルバスが出る。

 現地では地方競馬初のアイドル「UMATENA」が盛り上げ、予想では9月26日から「AIパッカル」というAI予想もスタート。これまで佐賀競馬に馴染みが薄かった方も、ぜひこれを機に佐賀競馬をお楽しみください。

(文・大恵陽子)

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