「共同通信杯・G3」(16日、東京)
過去10年の勝ち馬のうち6頭がのちにG1馬となり、昨年の覇者
ジャスティンミラノは次戦で皐月賞をV。その登竜門を制したのは、1番人気の
マスカレードボールだ。異父姉に重賞2勝馬
マスクトディーヴァを持つ良血馬が、
ホープフルS11着から巻き返して重賞初制覇を達成した。2着には6番人気
カラマティアノス、3着は4番人気
リトルジャイアンツが入った。
課題をクリアして初の重賞タイトルをつかんだ。気性面の若さを露呈して
ホープフルSで11着に大敗した
マスカレードボールが、好位でスムーズなレース運びを見せ、先に抜け出した
カラマティアノスとの競り合いを制した。
坂井は「直線を向いて余裕があり、ブレーキをかけるところがあったけど、内から来たらもう一回頑張ってくれた。余裕のある勝ち方でした」と振り返る。今回が初コンビだったが、1週前追い切りに騎乗して癖をしっかりと把握した。「課題だった
テンションをうまくクリアすることができた。調教で重賞を勝てる馬だと感じていたし、この馬の能力を出せて無事に勝てて良かった」と、難しい馬を見事にコントロールした。
陣営も調整に工夫を凝らし、精神面に重きを置いたトレーニングをしてきた。追い切りの前など、馬が何事にも嫌がらないように気持ちを尊重。手塚師は「結果が出てくれて良かった。東京へ変わったのも良かったですね」とうなずく。
異父姉は23年秋華賞2着などG1制覇にあと一歩のところまで迫った
マスクトディーヴァ。次戦について、社台レースホースの吉田哲哉代表は「皐月賞(4月20日・中山)になるのではないでしょうか」と牡馬クラシック1冠目への参戦を示唆した。坂井、手塚師ともに「ポテンシャルはG1級」と評価する素質馬が、姉の届かなかった大舞台の頂点に向かって突き進む。