◆第85回桜花賞・G1(4月13日、阪神競馬場・芝1600メートル)追い切り=4月9日、栗東トレセン
3歳牝馬が頂点を争うクラシック初戦、第85回桜花賞・G1(13日、阪神)の追い切りが9日、行われた。滋賀・栗東トレーニングセンターでは、2歳女王・
アルマヴェローチェが力みを感じさせない軽快な動きを見せた。阪神JFの勝利後“本番直行”で中間の調整も意欲的。岩田望来騎手(24)=栗東・フリー=とのコンビでVを目指す。枠順は10日に決定する。
2歳女王が万全の仕上がりをアピールした。
アルマヴェローチェは、CWコースで3頭併せ。内
ファーングロット(3歳未勝利)に3馬身先行し、外
ベラジオボンド(4歳3勝クラス)を2馬身追走する形でスタートすると、力みのない走りで一定のリズムを刻んだ。追走馬が馬体を併せてくると、スッとひと伸び。真ん中から楽々と抜け出して、1200メートル81秒2―11秒4で最先着した。
先週に
ベラジオオペラで史上初の大阪杯連覇を達成した上村調教師は、
ベラジオボンドに騎乗しながら「直線で並んでゴール板を通過するまでは横で見ていた」と動きをチェック。「いい動きをしているなというか、本当に楽に、軽そうに走っていたので、非常に状態はいいんじゃないかな」。馬上から間近でしっかりと状態を確認し、合格との
ジャッジを下した。
前走の阪神JFで大外から鮮やかに差し切ってG1初制覇を飾った。レース後は近年のトレンドである直行を選択。4か月ぶりのぶっつけ本番となるが「(阪神JFを)勝った時から直行を決めていたし、前走も札幌2歳Sから3か月ほど空いていた。4か月も問題ないかなと思う」。帰厩後は3月16日から坂路で時計を出し始めた。約1か月でCWコース3本、坂路4本の速い時計を出し、先月26日、今月2日は1400メートル追いで長めからしっかり負荷をかけた。大阪杯を控えた
ベラジオオペラとは2度併せるなど、実に意欲的な調教過程を踏んできた。
前走時484キロだった馬体重は現在500キロまで増え、どっしりとした貫禄が漂う体つきに成長している。「2歳の頃はまだ線の細い女の子という雰囲気だったが、しっかりとした牝馬になりつつある。成長を感じる」とトレーナーも目を見張るほどの充実ぶり。「馬体重は増えることになるが、そのあたりは成長分。動きが重いとかは全くない」。馬体のボリュームとともに、動きのキレも一段階増している。
G1馬として迎える桜の大舞台へ「2歳チャンピオンとして恥ずかしくないレースをしてもらえたら」と指揮官。盤石の態勢でラ
イバルを迎え撃つ。(山本 理貴)
◆岩田望来に聞く
―この日は騎乗しなかったが、1週前追い切りで感触を確かめた。
「体重も増えて、体も一回り大きくなってたくましくなったなという印象です」
―前走を振り返って。
「本当に強い内容で勝ってくれたなと思います」
―どこに強さを感じるか。
「レースセンスがすごくいいんじゃないかなと感じます」
―今年の3歳牝馬戦線は。
「未知数の馬がすごく多いので、やってみないと、と思いますが、この馬の力を信じたい」
―意気込みを。
「この馬と一緒にいい春を迎えたいと思っていますし、G1を連覇したいと思っているので、応援よろしくお願いします」
◆阪神JF勝利から“本番直行”馬 直近4年で3頭おり、連対率は100%。21年
ソダシは2月から2か月にわたり厩舎で調整。坂路を中心に9本の追い切りで無敗の桜花賞制覇につなげた。23年に牝馬3冠の
リバティアイランドは約1か月前に帰厩。精神面に主眼を置いた調整で、1冠目を手にした。24年
アスコリピチェーノは関東馬だが栗東に滞在し、本番は2着。その
アスコリピチェーノに勝った
ステレンボッシュも阪神JF2着からの直行だった。