「いい女に振られた気分」。重賞9勝を挙げ、2歳から7歳まで活躍したミスカゴシマが昨年1月に引退した時、平山宏秀調教師が口にした言葉だ。2歳時に金沢シンデレラC2着など遠征ではタイトルにあと一歩届かなかったが、地元・佐賀では重賞4連勝や、6歳にして約1年8か月ぶりの重賞制覇を果たして復活するなど、「佐賀の怪物牝馬」とも言える活躍を見せた。
今年度のさがけいばのキャッチコピーは「佐賀から怪物を」。ミスカゴシマのような、いやそれを上回る怪物の出現が期待される。
「またミスカゴシマみたいな馬に出会えたらいいけど、なかなかそう簡単にはいかないだろうね」
寂しそうにそう話していた平山調教師だが、怪物候補はすぐに現れた。その馬の名は、ミトノドリーム。昨年6月の新馬戦を6馬身差で完勝すると、2戦目の九州ジュニアチャンピオン、続くネクストスター佐賀と重賞連勝を果たした。
ネクストスター佐賀はJBC当日の最終レースに行われたことで注目度も高く、石川慎将騎手はウイニングランとスタンドに向かってガッツポーズを決めた。その後は針治療をしてから放牧へ。「体の戻りが早い馬」(平山調教師)というのも、走る馬の特徴なのだろう。休養先の牧場ではしっかりと乗り込まれ、この春は背が高くなって佐賀競馬場に帰ってきた。
今年初戦のネクストスター西日本は、JpnI全日本2歳優駿5着のジュゲムーン(高知)を前に敗れてしまったが、装鞍所に来た時からイレ込んでいたことも敗因の一つ。佐賀皐月賞、そしてダービーにあたる九州優駿栄城賞では地元馬同士で負けられない戦いとなる。
九州優駿栄城賞といえば、昨年はウルトラノホシが制覇。同馬もミトノドリームも、佐賀県馬主会の補助金を支えにセリで1000万円超えで購買された。落札価格と競走成績が必ずしも比例するわけではないが、セリでの予算が上がれば、可能性は高まる。「佐賀から怪物を」と、競馬場一丸となって素質馬の入厩や強い馬づくりに取り組んでいるのだ。
今月からは全レース勝利騎手インタビューも公開されるようになった。YouTubeの佐賀競馬公式チャンネルにてショート動画でサクッと見ることができ、これまでは生の声になかなか触れられなかった新馬勝ちや連勝中の馬について、騎手コメントを聴くことができる。もしかしたらそこに未来の怪物候補も潜んでいるかもしれない。
昨年は初開催のJBCで大盛り上がりだったさがけいば。今年はさらにパワーアップして歩んでいく。
●注目レース・イベント情報
今週末13日は重賞・佐賀がばいスプリントを開催!
また、来週20日、サガン鳥栖杯佐賀ヴィーナスカップ当日はUMATENAに加え、サガン鳥栖からサガンティーナを迎えてのステージを開催。ぜひ佐賀競馬場でお楽しみください。
(文・大恵陽子)
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