今年は百花繚乱(ひゃっかりょうらん)なのか、低レベルの争いなのか。この世代、牡馬相手の重賞を勝利したのはデイリー杯2歳Sの
ランフォーヴァウ1頭のみ(桜花賞は回避)。近年は2〜3頭が勝利していただけに、少ないのは間違いない。
さらに牝馬限定のオープン以上のレースは1番人気の勝利無し。これは2000年以降は初めてのことだ。そして阪神JFは牝馬限定戦となってから初めての京都開催。例年の阪神開催と違う以上、上位馬が桜花賞で好走する傾向が当てはまる保証はない。ならば穴狙いに徹するのも一つの手だ。
2000年以降、前走の競馬場別成績を調べてみた。勝利数トップはもちろん阪神組(18勝)だが、続くのが京都組と中山組の3勝。しかも京都組は【3―1―1―12】と勝率17・6%、連対率23・5%でグンを抜いて優秀だ。
使ってきたレースは様々だが、桜花賞で3着内に入った5頭は以下の通り。
▽09年
レッドディザイア(エルフィンS1着→桜花賞2着)
▽11年
マルセリーナ(エルフィンS1着→桜花賞1着)
▽18年
アーモンドアイ(シンザン記念1着→桜花賞1着)
▽20年
デアリングタクト(エルフィンS1着→桜花賞1着)
▽24年
ライトバック(エルフィンS1着→桜花賞3着)
共通するのはすべて前走で1着だった点だ。今年のメンバーで前走が京都で1着だった馬は2頭。阪神JFで2再女王に輝いた
アルマヴェローチェと、エルフィンSを制した
ヴーレヴーだ。
馬券妙味があるのは圧倒的に
ヴーレヴー。血統的には魅力たっぷり。近親に21年ス
プリングSを制した
ヴィクティファルス、05年皐月賞2着&日本ダービー3着のシックスセンス。父
サトノクラウンに母の父マンハッタンカフェという配合は、22年日本ダービーを制した
タスティエーラと同じだ。
ただ、2000年以降、桜花賞までに3勝以上しながら当日単勝6番人気以下だった馬はすべて着外。また、1番枠は2000年以降【0―1―2―22】と勝利した馬がいない鬼門だ。こうしたマイナスデータもあるが、そもそも“史上初”が並ぶ今年の桜花賞。“史上初”の結果となっても不思議ではない。(編集委員・小松 雄大)