4月16日からホッカイドウ競馬で、6月には中央競馬でも新馬戦がスタートする。昨年はサートゥルナーリア産駒がJRAで27勝、ナダル産駒がダートで次々に白星を挙げて話題を集めた。新種牡馬の活躍は2歳戦線での見どころのひとつだが、今年デビューを迎える注目の産駒といえば。ダート短距離路線で重賞2勝の実績以上にインパクトを残したマテラスカイは、昨年6月に結腸捻転のため10歳で死亡。残されたわずか3世代の産駒から、父をしのぐ活躍馬は現れるか。
マテラスカイは父Speightstown、母Mostaqeleh、母の父Rahyという血統の米国産馬。18年初めに1000万下、1600万下を連勝して本格化すると、OP入り初戦でドバイゴールデンシャヒーンにチャレンジし、勝ったマインドユアビスケッツから約5馬身差の5着に健闘する。帰国初戦は降級して準OPの花のみちSを快勝し、続くプロキオンSを日本レコードで勝利。以降も国内外のダート短距離路線を沸かせ、20年のクラスターCでは、再度の日本レコードで重賞2勝目を飾った。生涯でGI級タイトルには手が届かなかったものの、ラストランとなった21年のBCスプリントでも5着になるなど、世界屈指の快足馬として活躍。通算成績は36戦7勝だった。
引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入り。初年度から128頭の繁殖牝馬を集め、うち84頭が血統登録されている。開幕を間近に控えるホッカイドウ競馬では、能力検査初日の3月13日にさっそく5頭の産駒が合格。その後も続々と競走馬への第一歩を踏み出している。世代最初の新馬戦となる4月16日(水)のスーパーフレッシュチャレンジに父マテラスカイの文字は無かったが、近々ファンの前にお目見えすることだろう。
マテラスカイは24年6月16日に結腸捻転のため10歳で急逝しており、残されたのはわずか3世代のみとなる。少ない産駒の中から、父が成し得なかったGI制覇、さらには世界を獲る馬は現れるのだろうか。まずは初白星を飾って、空で見守る父に吉報を届けたい。