12年の青葉賞を快勝したフェノーメノ(撮影:下野雄規)
ダービーに向けた出走権争いもいよいよ大詰め。今週末の土曜日には、東京競馬場で青葉賞(3歳・GII・芝2400m)が行われる。同レースといえば、「青葉賞組はダービーを勝てない」という約40年も続くジンクスで知られるが、開催日程が変わった今年こそ“快挙”は生まれるだろうか。
青葉賞は1984年に日本ダービー指定オープンとして創設。94年にGIII、01年からGIIに格上げされた。重賞になる前を含め、同レースを経由して日本ダービーに向かった馬は【0-8-7-107】と、好走馬はたびたび出ているが勝ち切れていない。一例を挙げると、02年覇者のシンボリクリスエスは青葉賞で2馬身半差の素晴らしい勝ち方を見せたが、ダービーではタニノギムレットの前に2着。翌年には同じ藤沢和雄厩舎のゼンノロブロイが挑み、青葉賞を1.1/4馬身差で制したが、続く一戦ではネオユニヴァースの2着に敗れた。
もっとも惜しかったのは12年勝ち馬のフェノーメノで、ダービーではディープブリランテにわずか「ハナ差」およばずの2着。そして、17年にはアドミラブルが青葉賞組で初の1番人気に支持されたが、本番ではレイデオロ、スワーヴリチャードの後塵を拝す3着だった。青葉賞でどれほど強い勝ち方をしても、またのちにGIを制すような名馬であっても、壁を破ることはできていない。
勝てない理由にはローテや相手関係などが挙げられるが、ハッキリとしたことはわからない。だが今年から青葉賞の実施時期が1週繰り上げられ、ダービーに中4週のゆったりとした間隔で挑めるようになった。この変化が新たな風を呼び込むだろうか。今年こそジンクス打破に期待して、まずは前哨戦を見守りたい。