「新潟大賞典・G3」(17日、新潟)
先輩の熱い期待に応えたい。キャリア30年目を迎えたベテランが腕をぶす。今年13勝を挙げ、早くも昨年の勝ち鞍に並んだ古川吉洋騎手(47)=栗東・フリー=が新潟大賞典に
シリウスコルトで挑む。
田中勝厩舎の転厩初戦を任されたのがマイルの2走前。初コンビの六甲Sで2着と手応えをつかみ、距離延長となった福島民報杯での厩舎初Vへとつなげた。古川吉は「二二ぐらいまでは持つと思っていたし、前回はさらに良くなっていた。いいところで脚を使っているし、フロックとかハマったとかではなく、自分で動いて勝っているから」と満足げに振り返る。
田中勝師とは7歳違いだが、気心知れた先輩後輩の仲。東西で離れていても、その関係は今も続いている。「夏の北海道で一緒だった。朝も昼も晩もね(笑)。昔、美浦に行っていた時期もお世話になったり、本当にかわいがってもらった」
開業初勝利に一役買うことができ、喜びもひとしおだ。「うれしさしかない。いくつになっても、人との出会いはいつの間にかつながっていて大事だな、とすごく思う。長くやっていて良かったなと思える瞬間。引退していたら、こういう感覚は味わえない。この1勝は僕にとっても大事な1勝」と笑みを浮かべた。
古川吉を背にこのレースを制した
ヒットザターゲットも同じ福島民報杯からの連勝だった。あれから13年-。「勝ちたいよね。勝春さんに褒められたい。いくつになっても先輩に褒めてもらえるとうれしいよ」。重賞制覇で恩返しする。(デイリースポーツ・井上達也)