葵Sに出走予定のポッドベイダー(撮影:小金井邦祥)
初夏の京都競馬場を舞台に行われる3歳スプリント重賞、葵S。スピード自慢の若駒たちが集い、電撃の6ハロンでしのぎを削る一戦だ。過去の傾向からは、特定のステップレースや性別、脚質などに特徴が見られ、今年もデータに基づいた的確な分析が馬券的中のカギを握る。
1.前走オープンクラス組の信頼度
過去10年の葵Sにおいて、前走でオープンクラスのレースを使われた馬は[5-7-5-52]で複勝率24.6%と高い数値を記録している。特に複勝回収率は105%と妙味があり、上位人気だけでなく伏兵の台頭も期待できるローテーションだ。オープンクラスで揉まれてきた経験が、この3歳限定のスプリント重賞で活きるケースが多いと言えるだろう。
2.牝馬の活躍が顕著なレース傾向
過去のデータを見ると、牝馬は[7-7-5-55]で複勝率25.7%と、牡馬・セン馬の[3-4-4-75]で複勝率12.8%を大きく上回っている。単勝回収率も牝馬が218%、複勝回収率も117%と優秀で、性別は予想の上で重要なファクターとなる。スピード能力が問われる1200m戦では、斤量の恩恵を受けやすい牝馬が有利に立ち回れる場面が多いのかもしれない。
3.前走同距離組が一歩リードか
前走で今回と同じ1200m戦を使われた馬は[4-3-5-43]で複勝率21.8%、複勝回収率も110%と好成績を残している。一方、前走で1400m以上の距離から短縮してくる馬は[6-8-4-88]で複勝率17.0%と、好走数は多いものの率ではやや分が悪い。スプリント戦特有のペースへの対応力が求められるため、同距離で実績を積んできた馬にアドバンテージがあると考えられる。
ポッドベイダーは前走マーガレットSを快勝。4角2番手から抜け出すセンスの良い競馬を見せた。過去のデータからも前走オープンクラス組、前走同距離組、前走4角2番手はいずれも好成績で、本馬の戦績と合致する点が多い。京都コースも前走のマーガレットSで勝っていて、重賞初挑戦となるが、ここでも中心視できる存在だ。