10年の宝塚記念を制したナカヤマフェスタ(10年6月撮影、ユーザー提供:deep-impact-evangelionさん)
84年のグレード制導入以降、宝塚記念の勝ち馬の内、前走がオープン特別だった馬は3頭。その1頭が10年のナカヤマフェスタだ。8番人気の低評価を覆し、GI初制覇を果たした一戦を振り返る。
ナカヤマフェスタは父ステイゴールド、母ディアウィンク、母の父タイトスポットの血統。デビュー2連勝で東京スポーツ杯2歳Sを制覇。3歳時のセントライト記念で重賞2勝目を挙げた。しかし、その後は菊花賞で12着、中日新聞杯で13着に大敗。休み明けのメトロポリタンSは力の違いを見せつけて快勝したものの、そこはあくまでオープン特別。4回目のGI参戦となった宝塚記念では8番人気の低評価に過ぎなかった。
レースは前半1000mが60秒0の平均ペースで流れた。1番人気のブエナビスタは先団インを追走。2番人気のジャガーメイルは中団から。ナカヤマフェスタも同じような位置で脚をためた。勝負所の3〜4コーナーで馬群が凝縮して直線へ。粘り込みを図るアーネストリーに、内からブエナビスタから迫る。これに外から迫ったのがナカヤマフェスタだ。柴田善臣騎手の左ムチに応え、ゴール前でグイッとひと伸び。アッと驚く激走で、GIウイナーの仲間入りを果たしたのだった。
その後、ナカヤマフェスタはフランスに渡った。前哨戦のフォワ賞(2着)を経て、凱旋門賞に参戦。4角での不利に耐え、しっかりと脚を伸ばしたものの、ワークフォースにアタマ差及ばず2着。惜しくも日本馬の悲願達成はならなかったが、宝塚記念がフロックではなかったことを証明したのだった。