安田記念2025に出走予定のマッドクール(24年3月撮影、ユーザー提供:ワラビさん)
今年の安田記念(3歳上・GI・芝1600m)には高松宮記念からマッドクール(牡6、栗東・池添学厩舎)が参戦する。このローテで春のマイル王に輝いた馬は過去に3頭。いずれ劣らぬ名馬を紹介したい。
1頭目は02年のアドマイヤコジーンだ。3歳時(現2歳時)に朝日杯3歳Sを制覇。その後は不振だったが6歳を迎えて復活を果たす。東京新聞杯、阪急杯を連勝すると、高松宮記念でも2着に奮闘。そして安田記念に挑んだ。強豪揃いとあって7番人気の伏兵評価だったが、好位から堂々の押し切り。自身が3年半ぶりのGI・2勝目なら、鞍上の後藤浩輝騎手は悲願のGI初制覇となった。
2頭目は13年のロードカナロアだ。前年のスプリンターズSから香港スプリント、阪急杯、高松宮記念とG1・3つを含む重賞4連勝中だった最強スプリンター。ここで陣営は安田記念への参戦を決める。11年1月のジュニアCで2着に敗れて以来、2年5カ月ぶりのマイルチャレンジ。それだけに1番人気ではあったが、単勝オッズ4.0倍が示すように、決して不動の本命ではなかった。レースは中団から伸びて、ショウナンマイティにクビ差の辛勝。直線で外に寄れる場面もあり、スムーズとはいかなかったが、マイル界の制圧に成功した。
そして3頭目は20年のグランアレグリアだ。前年の桜花賞馬。前走の高松宮記念では猛追及ばず2着だった。迎えた安田記念はアーモンドアイ、インディチャンプに次ぐ、離れた3番人気。それでもレースでは中団から鋭い脚を使い、終わってみればアーモンドアイに2馬身半差の完勝。2つ目のGIタイトルを獲得し、短距離界にグランアレグリア時代の到来を告げたのだった。
今年のマッドクールは過去の3頭に比べ、よりスプリンターの印象が強い。それだけに楽なレースにはならないだろうが、並み居るマイラーにひと泡吹かせるシーンを期待しよう。