惜しくも2着のマスカレードボールと坂井(撮影・園田高夫)
「日本ダービー・G1」(1日、東京)
1番人気の
クロワデュノールが鮮やかに抜け出し、22年に生を受けた7950頭の頂点へと輝いた。
クロノジェネシスで20年春秋
グランプリ制覇を果たしたデビュー20年目の北村友一騎手(38)=栗東・フリー、斉藤崇史調教師(42)=栗東=のコンビはこれが初のダービー制覇。2着は3番人気の
マスカレードボールで、3着には6番人気の
ショウヘイが入り、皐月賞馬で2番人気の
ミュージアムマイルは6着に敗れた。
死力は尽くした。8枠17番から頂点を目指した3番人気
マスカレードボールは、直線で勝ち馬に急追するも2着。皐月賞は銅メダル、ダービーは銀メダルに終わった。
好発を決め、道中は中団外を追走。前を行く勝ち馬を視界に入れ、スムーズにレースを進めた。直線に向くと一度は引き離されたが、ラスト1Fでエンジンが点火。得意の左回りで、メンバー2位の上がり3F33秒7の末脚を放ったが、3/4馬身差届かず涙をのんだ。
2月の共同通信杯V以来となる再タッグで臨んだ坂井は「勝ち馬をマークできればと思っていましたし、折り合いもスムーズ。この枠から考えられるレースはできたと思います」と敗戦にも納得の表情。「最後も脚は使ってくれていますが、勝ち馬が強かったです」と潔く勝者をたたえた。
5度目の競馬の祭典挑戦となった手塚久師は、23年
ソールオリエンスに続く2着。史上5人目のクラシック完全制覇の夢もお預けとなった。「もう1列、前に行けなかった。あれは枠順の差。勝った馬は強かったが、ウチのも“強いな〜”と思ったね。今回は悔しい2着」と外枠に涙。それでも「課題は少しずつクリアされている。秋へ向けてさらなる飛躍ができれば」と前を向いた。今後は「血統的なものもあるし、よく考えて」と話すにとどめたが、金メダルに手が届くところまで来た。秋にひと回り成長した姿でターフに帰ってくる。