横尾忠則がデザインした園田・姫路競馬のシンボルマーク
「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」
園田・姫路競馬には誘導馬をモデルにした公式マスコットキャラクターが存在する。男の子の「そのたん」、女の子の「ひめたん」。2体とも立派な名前を持って、ファンの認知度も高い。
一方で、園田・姫路競馬の
シンボルマークには名前がない。それゆえに知名度もない。兵庫県競馬組合の設立10周年を記念して1990年に採用された。そのたんが登場した2013年、ひめたんの2019年よりも古くから存在するのに、具体的な呼び名がない。
シンボルマークは、日の丸を背景に馬の頭部と三脚巴をあしらった図案。デザインしたのは美術家の横尾忠則だ。作者は世界的に有名なのに、園田・姫路競馬の
シンボルマークは無名で、横尾ファンには幻の作品になっているのかもしれない。
スポーツ用品メーカーの
ナイキの場合、
シンボルマークには「
スウッシュ」の名前がついている。デザインの秀逸さもあり、世界中で認知されて浸透。
シンボルマークに名前があっても別におかしくはない。
兵庫県競馬組合によると、35年前の発表当時、横尾デザインの
シンボルマークは評判が良くなかったという。斬新な美術作品なんて、そんな扱いを受けるものなのかもしれない。お役所仕事として形式的な評価を求めず、とりあえず面白がればいいものなのに。もったいない。
今なら巨匠の知名度に便乗して、SNSで世界中から
シンボルマークの名前を募集すれば、面白いことになるはずだ。さまざまな利用方法も提案されるだろう。競馬ファンより、美術ファンの反応の方が良さそうな気がする。記者の希望として、横尾デザインの
シンボルマークが
プリントされたTシャツなら、ぜひとも購入して着てみたい。(地方競馬担当・中山伸治)