函館記念2025に出走予定のハヤテノフクノスケ(今年4月撮影、ユーザー提供:特通電A23さん)
青森産馬のハヤテノフクノスケ(牡4、栗東・中村直也厩舎)が、函館記念(3歳上・GIII・芝2000m)で重賞初制覇を狙う。
ハヤテノフクノスケは父ウインバリアシオン、母サクラインスパイア、母の父シンボリクリスエスの血統。生産者は青森県のワールドファーム。5代母は名繁殖牝馬のスワンズウッドグローヴなので、古くは88年の日本ダービー覇者のサクラチヨノオーや同年の朝日杯3歳Sを制したサクラホクトオー、近年の活躍馬でいえばサクラトゥジュールやラッキードリームと同じ牝系の出身となる。
ここまで12戦4勝。24年の京成杯ではダノンデサイルから0秒2差の4着に健闘。同じく菊花賞では勝負所でスムーズさを欠くシーンがありながら、15番人気の低評価を覆して8着に食い込んだ。その後は放牧を挟み、3走前の鶴舞特別を4馬身差、前々走の阪神競馬場リニューアルオープン記念を5馬身差で圧勝。一気に本格化ムードを漂わせている。前走の天皇賞(春)は11着に大敗したが、相手が強かったことに加え、差し有利の展開も堪えた印象。GIIIなら巻き返し必至だろう。
近年、青森産馬の活躍はめっきり減った。JRAのGI制覇は01年の阪神JFのタムロチェリーが最後。地方ではキョウエイギア、サルサディオーネなどがビッグレースを制しているものの、中央では北海道組に圧倒されている。ここで「期待の星」ハヤテノフクノスケが20年のダイヤモンドSのミライヘノツバサ以来、青森産として5年4カ月ぶりのJRA重賞制覇となるか。是非とも故郷を喜ばせる熱い走りを見せてほしい。