「七夕賞・G3」(13日、福島)
夏の福島恒例のハンデ重賞。七夕に『重賞V』という願いをかなえるのは、どの馬か-。主役を担うのは屈腱炎から不屈の闘志で復活を果たした
ドゥラドーレス。22年菊花賞4着の大器が、6歳で悲願のタイトル奪取へ突き進む。
みちのくの夏、短冊に“重賞初制覇”の願いを託す。大器
ドゥラドーレスが七夕賞の主役に名乗りを上げた。
デビュー時からクラシック候補と期待された逸材だが、22年菊花賞4着後に左トモを痛めて4歳時はわずか1戦のみ。さらに右前屈腱炎を発症し、1年以上に及ぶ長期離脱を余儀なくされた。
それでも、不屈の精神でターフに帰ってくると、昨年10月の復帰戦・オクトーバーS11着を経て、2戦目の小倉日経オープンを快勝。続く
エプソムCで2着に入り、復活ののろしを上げた。宮田師は「復帰戦で大敗した時はもう駄目かと思ったけど、よく小倉で勝ってくれた。使うたびに状態は上がっているし、馬も成長している」と目を細めた。
今回、手綱を取るのは22年毎日杯(3着)以来のコンビとなる戸崎圭。「あの毎日杯が(自分の騎手人生において)きっかけになったこともあります」。差し遅れて敗れたあの日の悔しさは今も胸に刻まれているが、昨年の有馬記念で
ドゥラドーレスの半妹
レガレイラを勝利に導いた冷静な騎乗ぶりは記憶に新しい。「
ドゥラドーレスに(あの頃と)違った自分を見てもらいたい」と新たな覚悟をにじませている。
1週前追いは「3歳の時より走りにまとまりが出ている。ただ、まだ緩さが残っている感じ。本格化はこれから先かなと思います」と鞍上。宮田師も願いを重ねる。「一戦一戦が勝負の馬。タイトルを獲らせたいし、G1を目指せる馬になってほしい」。何度も試練を乗り越えてきた6歳馬が、今度こそ陣営の思いをかなえる。