栗東坂路を力強く駆け上がるハクサンバード(左)=撮影・石湯恒介
「関屋記念・G3」(27日、新潟)
重賞初挑戦となる
ハクサンバードが栗東坂路で最終リハ。4F54秒3-38秒3-12秒1をマークし、僚馬に2馬身半先着して好調をアピールした。管理する開業2年目の高橋一哉調教師(39)=栗東=にとって、同馬は厩舎初勝利をもたらしてくれた思い入れのある一頭。今度は厩舎初の重賞制覇を託す。
重賞初挑戦の
ハクサンバードが栗東坂路で躍動した。僚馬
アダマント(2歳未勝利)を3馬身追走から徐々に加速。4F54秒3-38秒3-12秒1を計時して2馬身半先着した。高橋一師は「馬の後ろで我慢させる形での調整。乗っていた助手は『仕掛けた時の反応がすごく良かった』と言っていましたね。終わった後の息遣いも良かったようです」と好感触。手応え十分の内容で最終調整を終えた。
今年で開業2年目。厩舎の初勝利を挙げてくれたのが同馬だ。「ずっと厩舎を引っ張ってくれている存在。この馬と重賞に挑戦できるということに大きな意味がありますね」。2走前には3勝クラスを突破。前走パラダイスSでは上がり最速の脚で0秒4差の3着まで迫った。「精神面の成長が大きいですね。競馬にも落ち着いて臨めるようになり、持っている能力を発揮できるようになった」と成長を感じている。
中央での3勝中2勝を挙げている小崎に託す。「村山厩舎にいた時からの縁ですね。ジョッキーとしても海外に挑戦しているのも見ていましたし、何より真面目。信頼していますし、この馬のことも一番分かってくれている」と指揮官。約2年ぶりのマイル戦にも「ブリンカーを外した2走前から差す競馬ができるようになっています。今なら距離の融通も利くと思う」と不安はない。
師にとっては地元・新潟での一戦。「新潟で重賞というのは夢でもありましたし、幼少期から近くで見てきたレース。馬の調子もすごく良さそうですし楽しみです」。悲願の重賞Vへ-。陣営の思いを乗せ、
ハクサンバードが越後路を駆け抜ける。