20年レパードSを制したケンシンコウ(写真は21年7月ジュライS、撮影:下野雄規)
個性派として人気を集めた
ケンシンコウが先日、惜しまれつつ現役を引退した。そんな彼の重賞初制覇は、馬名に縁のある新潟競馬場だった。7番人気での戴冠となった20年のレパードSを振り返る。
この年のレパードSは混戦模様だった。それもそのはず重賞勝ち馬は不在。1番人気の
デュードヴァン、2番人気の
ミヤジコクオウ、3番人気の
ラインベック、4番人気の
ライトウォーリアまでが単勝オッズ6倍未満。5番人気以下にも侮れない馬が揃っていた。
レースは最内枠から飛び出した7番人気の
ケンシンコウが逃げた。直後に
タイガーインディがつけて、好位に
ラインベック。
デュードヴァンは先団、
ミヤジコクオウは中団から運んだ。前半1000mは60秒7。不良馬場にしては遅めの流れだ。これを味方に付けたのが
ケンシンコウだった。手応え良く直線に向くと、一気に後続を引き離す。残り200mでも約3馬身のリードがあり、ここで早くも勝負あった。最後は流しながら、
ミヤジコクオウに2馬身半をつける完勝。丸山元気騎手の好判断が功を奏し、初タイトル獲得となった。
ケンシンコウはその後も息長く走った。21年にはジュライSを制覇。惜しくも重賞2勝目には手が届かなかったが、個性的なルックスと馬名で人気を博した。今年7月6日のジュライSで右前肢ハ行を発症したため競走中止。このレースを最後に現役引退となったが、今後は種牡馬となるとのこと。産駒が夏の越後路で活躍する日を心待ちにしたい。