今週末は札幌競馬場で「
ワールドオールスタージョッキーズ」(以下、WASJ)が行われる。腕達者14名が集い、騎乗馬の着順によるポイントで順位を競う。同大会では個人戦に加え、出場騎手を「WAS選抜(海外、地方)」と「JRA選抜(JRA代表)」に分けたチーム対抗戦も実施。こちらは2015年の創設から8回連続(20年、21年は開催中止)でJRA選抜チームが勝利しており、今年こそ「WAS選抜」の初優勝なるか注目が集まる。
来日する海外ジョッキーの中で、すっかりおなじみなのが豪州の「C.ウィ
リアムズ騎手」。前身のワールド
スーパージョッキーズシリーズと合わせ、今回で11度目の出場となる。短期免許での騎乗経験も豊富で、10年の天皇賞(春)を
ジャガーメイルで制すなどJRA・GIを3勝。24/25年は芝の世界最高賞金レースであるジ・エベレストを勝利し、メルボルン地区で389戦67勝の成績でリーディング2位と、充実のシーズンを過ごした。
香港からは2名が参戦する。「A.バデル騎手」は現在、8月25日(月)までJRA短期免許を取得して騎乗中。名鉄杯を9番人気の
マリオロードで制すなど、54戦10勝の成績を残しており、勝率18.5%と勝負強さが光る。「K.ティータン騎手」は今年のクイーンズシルバージュビリーCで、香港最強短距離馬のカーインライジングを勝利に導いた。16年、17年にJRA短期免許を取得したほか、昨年に引き続き2年連続のWASJ参戦となる。
南米ア
ルゼンチンからは、押しも押されもせぬトップジョッキーが来日。「F.ゴンサルベス騎手」は母国のブラジルで経験を積んだのち、13年から
ブエノスアイレスに拠点を移すと、移籍2年目には年間212勝でリーディング4位に躍進。16年、18年から24年に合計8度のリーディングに輝くなど、ア
ルゼンチン競馬に欠かせない存在となった。
ドイツの「T.
ハマーハンセン騎手」は25歳の若き名手。昨年の独ダービー、バイエルン大賞とG1・2勝を挙げ、年間74勝でリーディングをつかんだ。今年も7月末時点でリーディングトップ。欧州各国で騎乗してきた経験を生かし、日本でも結果を残せるか。「C.
トーレス騎手」は、22年12月から23年5月にかけての
オークロンパーク開催で100勝を挙げ、開催リーディングを手にした。昨年の
チャーチルダウンズSで初のG1タイトルを獲得するなど活躍が続く。
地方競馬からは7月に通算1400勝を達成した「本田正重騎手」が初出場する。デビュー20年目のベテランは勝負強さが魅力。17年のジャパンダートダービーでは、負傷した森泰斗騎手の
ピンチヒッターを務め、
ヒガシウィルウィンを勝利に導いた。また、23年の浦和記念では
ディクテオンで豪快なひとマクリ。ダート
グレード競走2勝を含む、重賞24勝を挙げている。
中央、世界、そして地方の腕利きが揃った今年のWASJ。その手綱さばきで、終わり近づく札幌競馬、夏競馬を熱く盛り上げてくれることだろう。