「キーンランドC・G3」(24日、札幌)
今年の3歳マイル王で2番人気の
パンジャタワーが古馬を一蹴。直線外から豪快に差し切って、次に見据える豪州の高額賞金レース「
ゴールデンイーグル」(11月1日・ローズヒルガーデンズ)へ弾みをつけた。2着は4番人気の
ペアポルックス、3着に3番人気
カルプスペルシュが入り、1番人気の
ウインカーネリアンは5着に終わった。
メンバー唯一のG1馬
パンジャタワーが、貫禄の走りで“前哨戦”をクリア。世界進出へ向けて、最高の船出を切った。
レースはやや出負けする形になったものの、慌てず騒がずリズム重視で中団のポジションを確保。「外差しが得意な馬なので、最後は外から差せればなと思っていた」という松山の言葉通り、直線は外からG1馬の底力を発揮。グイグイ伸びて先行勢が踏ん張る展開を力ずくでねじ伏せた。
文句なしの快勝劇に、史上7人目、現役では4人目となるJRA全10場重賞制覇を達成した鞍上も納得の表情だ。「理想の形で競馬ができましたね。非常に強かったと思います。1600メートルでも1200メートルでも重賞を勝って、どんな競馬でもできる馬」とパートナーに全幅の信頼を置けば、橋口師も「もともとが緩い馬でしたが、締まってきましたね。春に比べたらかなりマシになってきて、まだ良くなります」と成長ぶりに目を細める。
この始動戦の前から、陣営は秋の大目標に1着賞金約5億円の
ゴールデンイーグルを掲げていた。「恥ずかしいレースはできないと思っていた。豪州遠征に向けて、いい前哨戦になったと思う」と胸を張った鞍上。そしてトレーナーも「あさって(26日)に栗東へ移動。どこかのタイミングで、検疫も受けられるチャンピオンヒルズへ放牧に出します。勝っていますし、当然、次も松山で」と手応えをにじませる。日本が誇る短距離界の新星が世界に飛び出す日は、もうすぐやってくる。