逃げ切り重賞初制覇を果たしたナルカミ(岩手県競馬組合提供)
「不来方賞・Jpn2」(2日、盛岡)
課題の左回りもクリア。大外枠から逃げた単勝1・7倍の1番人気に支持された
ナルカミがまんまと後続を完封。重賞初制覇を決め、ジャパンダートクラシック・Jpn1(10月8日・大井)への優先出走権をゲットした。2着に4番人気のハグ。2番人気で武豊騎乗の
メイショウズイウンは3着に終わった。
6R後に雷を伴った大雨に襲われた盛岡競馬場。メイン時は雨がすっかりやんでいたが、馬場には水たまりが目立った。その中をマイペース。
ナルカミが3連勝で初のタイトル奪取に成功した。ラスト100メートル手前では鞍上が後ろを振り返るほど。最後は手綱を押さえながら2馬身半差で決着をつけた。
コンビを組んで3連勝の戸崎圭は「フットワークの大きな馬なので、ごちゃつかないように気をつけていたけど、大外枠でそれも心配なかったね」と胸をなで下ろした。直線を向いて後続が懸命に追いかけてきたが、それもどこ吹く風。「手応えは十分。追うというより
ナルカミのリズムを大事に。まだまだ余裕があったし、強い内容だったね」と胸を張った。
デビュー戦を2秒差で圧倒しながら2戦目の中京で大敗。左回りに課題を残す結果となった。その後に栗東から転厩。そのあたりに十分配慮しながら慎重に調整を重ねてきた。「同じ左回りでも(回りの大きな)盛岡ならと思って、ここを選択しました」と田中博師の狙いがズバリ的中した。
ダートG1級6勝の
レモンポップが昨年引退した後、帝王賞を勝った
ミッキーファイトに続き、厩舎には頼もしい後輩が誕生した。「まだまだ線が細くて精神的にも弱い。左回りも克服してくれたというより、無事に勝ってくれた感じです」と慎重に言葉を紡ぎながらも「その中で勝ってくれたのは、やはりポテンシャルの高さ。少しずつ成長してくれています」と目を細めた。
「戸崎ジョッキーと同じ勝負服。
レモンポップのようになってほしいですね」と締めくくった。この後は様子を見ながらクラシック最終関門・ジャパンダートクラシックへ直行の予定。2冠王者・
ナチュラルライズとの対決が楽しみになった。