栗東坂路を軽快に駆け上がるミュージアムマイル(左)=撮影・中田匡峻
「セントライト記念・G2」(15日、中山)
皐月賞馬
ミュージアムマイルがいよいよ始動する。秋初戦に向け、10日の栗東坂路での最終リハでは4F53秒9-38秒4-12秒1の好ラップをマークしてG1馬の貫禄を見せつけた。この先はクラシック3冠目の菊花賞ではなく天皇賞・秋(11月2日・東京)参戦を目指す。強豪古馬との対戦を見据え、負けられない一戦に臨む。
復権に向けて十分過ぎるリハーサルだった。皐月賞馬
ミュージアムマイルは朝一番の栗東坂路で併せ馬を決行。一杯に追われた
ブルーワール(3歳1勝クラス)の内から4F53秒9-38秒4-12秒1の好ラップを楽々マーク。最後は僚馬を手応えで圧倒し、馬なりで半馬身先着を決めた。
見守った高柳大師は「しまいだけ伸ばす指示。持ったままでもしっかりといいフットワークでしたし、フォームも良かった」と笑顔。「状態はいいと思います。ここまで不安なく来られました」と始動戦へ手応えをにじませた。
2冠奪取を目指して挑んだ前走のダービーでは、位置取りが響いて6着。そこから3カ月半。充電期間を経て、理想的な成長曲線を描いている。「ひと回り体が大きくなった気がします。調教は動く馬でしたが、追い切っても体重が減らなくなりました。巻き上がって見えていたおなかも、今はそんなにです」と
パワーアップを実感。「もともと緩い馬で、帰ってきた時はつまずくなどしていましたが、それがしっかり歩けるようになりました」と休み明けの心配もない。
この先は、クラシック3冠目の菊花賞ではなく天皇賞・秋参戦を目指す。古馬との初対戦の前に、何としても弾みをつけておきたい。「中山コースもいいと思いますし、乗ってくれていたジョッキーも距離は問題ないと言っているので」と指揮官。今回は自身以外に重賞馬はおろか、オープン馬がいないメンバー構成。卓越した脚力で異彩を放つ。
◆調教診断 1週前に栗東CWで負荷をかけ、当週は坂路でサラッと併せ馬といういつものパターン。大目標はあくまでこの次で、100%に近いギンギンの仕上げではないものの、夏休みを経て
パワーアップしたおかげで春先と遜色ない迫力を醸し出している。叩き台とはいえ、この仕上がり具合なら能力も総合的に含めて楽勝まで十分にあるとみる。