15年の毎日王冠を制したエイシンヒカリ(15年10月撮影、ユーザー提供:ひげまつりさん)
実力はもちろん、個性派としても人気を集めた
エイシンヒカリ。そんな彼がGII初制覇を果たしたのが15年の毎日王冠。単勝1番人気に応えて逃げ切った一戦を振り返る。
エイシンヒカリは父ディープインパクト、母キャタリナ、母の父Storm Catの血統。半姉の
エーシンクールディは地方重賞8勝の活躍馬だった。デビューは3歳春と遅れたが、そこから連勝街道を突き進む。5連勝目となったアイルランドTでは前半の1000mを58秒2のハイペースで逃げ、かつ直線では外ラチ沿いまで大きくよれながら、2着に3馬身半の楽勝。インパクト大の走りで一気に全国区となった。続くチャレンジCでは初黒星となる9着に沈んだが、4歳を迎えて武豊騎手とコンビを組むと覚醒する。都大路Sを快勝すると、
エプソムCで重賞初制覇。夏休みを挟み、秋初戦の毎日王冠に挑んだ。
単勝4.9倍の1番人気に推された一戦、
エイシンヒカリはいつものように逃げた。前半1000mを59秒9のゆったりとしたペースで逃げると、直線で再加速。上がり3Fを34秒0でまとめると、
ディサイファと
イスラボニータの2着争いを尻目にフィニッシュ。02年の
マグナーテン以来、レース史上13年ぶりとなる逃げ切りを収めるとともに、初のGIIタイトルを手にしたのだった。
その後、香港Cにイスパーン賞と海外G1を2勝した
エイシンヒカリ。惜しくも国内でGIを勝つことはできなかったが、その功績はいつまでも語り継がれていくに違いない。