「スプリンターズS・G1」(28日、中山)
人馬ともに悲願達成だ。8歳馬で11番人気の
ウインカーネリアンが逃げる
ジューンブレアとの競り合いを制し、G1初勝利。鞍上の三浦皇成騎手(35)=美浦・鹿戸=は127回目の挑戦で初のJRA・G1タイトルをつかみ取った。2着には7番人気の
ジューンブレア、3着には2番人気の
ナムラクレアが入り、3連単は130万円超えの大波乱となった。なお、1番人気の
サトノレーヴは4着に敗れた。
派手な
ガッツポーズで喜びを爆発させた。ついにG1の勲章を勝ち取った三浦。8歳馬
ウインカーネリアンを見事に勝利へと導き、デビューから18年目、127回目の挑戦で念願だったJRA・G1を射止めた。
殊勲の鞍上は「G1を勝てたことはうれしいですが、
カーネリアンをG1馬にしてあげられたことが、何より良かった。そして初めてのG1勝利が、所属する鹿戸調教師のところ(の馬)で本当に良かったです」と喜びつつ、周囲への感謝を口にした。
道中はハナを主張した
ジューンブレアの直後を追走。4角で並び掛けると、直線の激しいたたき合いを頭差で制した。「ゲートを出てから2歩目の反応は世界でも
トップレベルだと思っているので、内の行く馬を見ながら進められる外枠は良かったです。自信を持って、自分のリズムで進められました」と不利とも思えた大外枠も前向きに捉えていた。レースも理想通りの展開で、チャンスをグイッと引き寄せた。
ウインカーネリアンとは海外遠征を経験するなど、長い時間、苦楽をともにしてきた相棒。誰よりも勝たせてあげたいと思いながら、大舞台ではあと一歩の成績が続いていた。「年齢的にも残りのチャンスは少ないと思っていたので、最後はこれまでのことを思いながら追いました」。熱い思いがようやく結実した。
自身が手掛けたスクリーンヒーローの産駒で制した鹿戸師は「調教師冥利(みょうり)に尽きます。年齢的にも回復には時間がかかりますので、今後については関係者と相談してからですね」とベテラン馬の頑張りをねぎらった。本命不在のス
プリント戦線。古豪の勝利で、ますます面白さが増してきた。