今年こそ“日本競馬の悲願”なるか。
アロヒアリイを皮切りに
ビザンチンドリーム、
クロワデュノールと、10月5日(日)に控える凱旋門賞(3歳上牡牝・仏G1・芝2400m)に向け、幸先の良い勝利が続いている。これまでも前哨戦を制して凱旋門賞に挑んだ日本馬は数多くいた。週末に行われる大舞台を前に、そんな彼らの蹄跡を振り返ってみたい。国内での海外馬券発売第1号となった2016年の凱旋門賞には、同年のダービー馬
マカヒキがニエル賞を
ステップに参戦した。
マカヒキは父ディープインパクト、母ウィキウィキ、母の父フレンチデピュティの血統。無傷3連勝で弥生賞を勝ち、皐月賞でも2着と見せ場をつくる。日本ダービーでは
サトノダイヤモンドと息の詰まる激しい叩き合いを演じ、わずかハナ差で世代の頂点に輝いた。秋は凱旋門賞を最大目標に据え、ニエル賞を
ステップレースに選んだ。
前哨戦は5頭立て。ロンシャン競馬場の改修工事により、凱旋門賞を含めて
シャンティイが舞台。実績がある馬がおらず、
マカヒキは圧倒的な1番人気に支持された。レースはほとんど等間隔で縦に5頭が並ぶ隊列となり、
マカヒキは前から3番目を追走。直線に入って鞍上が追い出すと、じわじわと脚を伸ばし、残り300mほどから
ミッドターム(
Midterm)、
ドーハドリーム(
Doha Dream)と3頭による競り合いに発展した。ゴールまで続いた争いは、最後に
マカヒキがクビ差だけ前に出て勝利。異国の地でダービー馬の威厳をしっかり示した。
同年の凱旋門賞では、日本国内で初めて海外馬券発売が行われることもあって、より注目を集めていた。
マカヒキのJRAオッズは単勝2.8倍の1番人気。かつて同じ勝負服で挑み、3位入線(のちに失格)となった父ディープインパクトの雪辱なるか、期待されていた。だが、結果は16頭中14着という厳しい結果。好位から運んだものの、直線に入るとすでに余力がなく、そのままずるずると後退してしまった。勝ったのは前年のBCターフ覇者
ファウンド(
Found)。2着は
ハイランドリール(
Highland Reel)、3着は
オーダーオブセントジョージ(
Order of St George)で、A.オブライエン厩舎の上位独占で幕を閉じた。