「秋華賞・G1」(19日、京都)
牝馬3冠レースの最終戦。最有力候補となるのがオークス馬の
カムニャックだ。前哨戦のローズSでは他馬と接触しながらも強さを見せつけて完勝し、フ
ローラSから3連勝を達成。ひと夏越して心も体も成長しており、調整も順調に進んでいる。さらにデータ班からの推奨馬も
カムニャック。牝馬2冠制覇に死角はない。
美浦トレセンの記者室でいつもの席に着くと、競馬に配属されたS社のK君(23歳)が座っていた。新人が来た時に私は「初めて見たダービーは?」と質問するのだが、彼は「
シャフリヤールです」と。さらに突っ込んで聞くと「全く競馬を知らなかったのですが、テレビで特集されていた
サトノレイナスだけは知っていました。競馬にハマるのはその後。なので、
エフフォーリアが無敗で単勝1倍台だったなんてあとから知りました」と苦笑いを浮かべていた。
そんな彼も、今となっては
ジョスランが
エフフォーリアの全妹だと理解しているが、私のような昭和の残党からすれば、このきょうだいの牝系と言えば、真っ先に思い出すのは
ヒシアマゾンだ。祖母ケイティーズファーストの半妹に当たり、芝ダート、距離の長短を問わずラ
イバルをなぎ倒す姿はまさに“女傑”。当時、京都芝2400メートルで行われていた94年エリザベス女王杯(当時は現在の秋華賞にあたる3歳牝馬限定戦)の覇者だけに、
ジョスランの秋華賞参戦にはDNAの強さを再認識させられた次第だ。
このファミリーの日本での“祖”と言える3代母ケイティーズは、国内外のG1を3勝したアドマイヤムーンや、08年スプリンターズSを制した
スリープレスナイトといった子孫を輩出。大舞台での強さを備えており、経験の浅さを補えるだけの可能性を秘めている。