この秋は負けられない。巻き返しに燃えるブラウンラチェット
「秋華賞・G1」(19日、京都)
雪辱を期す秋がやって来た-。現役ダート最強馬
フォーエバーヤングを兄に持つ
ブラウンラチェットが最後の1冠取りに挑む。昨年の阪神JFでは1番人気に支持されたほどの素質馬。体調面が整わず、春のクラシックは桜花賞9着、オークス7着と不本意な結果に終わった。桜花賞を
アユサン、オークスを
ユーバーレーベンで制している手塚貴久調教師(61)=美浦=にとっても、牝馬3冠制覇のチャンス。万全の態勢が整ったこの秋こそ、本来の姿を見せる。
ちょうど1年前の昨年10月、
ブラウンラチェットは重賞のアルテミスSで2勝目を挙げた。輝く未来に満ちた素質馬は意気揚々と西へ向かったが、1番人気に支持された阪神JFは見せ場すらつくれず16着に沈んだ。
春シーズンも立て直せず桜花賞、オークスとも掲示板にも届かなかった。手塚久師は「桜花賞は阪神JFの疲れが尾を引いていて…。アルテミスSからが強行軍だったのか、春は体調が整わず消化不良のレースが続いてしまった」と振り返る。
雪辱を期す秋。桜花賞は馬体減を考慮して栗東で調整されたが、今回は阪神より近い京都への輸送でもあり美浦での調整を選択。9日の1週前追い切りには、初コンビとなる池添が駆けつけた。美浦Wで3頭併せ。前を行く2頭を追いかけ、直線は最内に入って6F85秒2-38秒0-11秒2を計時。きっちり1馬身先着した。
池添は「走りっぷりも良かったし、体調面は問題なし。力を発揮できれば、この相手でも遜色ない」と好感触を得た。当初は紫苑Sから始動の予定だったがザ石のため、秋華賞直行に切り替わったが、指揮官は「使った後の
テンションが高くなるタイプだし、本番に直行するのはむしろいいと思う。京都の2000メートルも合いそう」と前向きに捉える。ここ3戦の敗因は明白。潜在能力は高いだけに、一気の逆襲があっても驚けないはずだ。