07年の天皇賞(秋)はメイショウサムソンが制した(07年10月撮影、ユーザー提供:ジャッキーローズさん)
武豊騎手は天皇賞(秋)で歴代最多の7勝を挙げている。今年は宝塚記念覇者の
メイショウタバル(牡4、栗東・石橋守厩舎)で参戦するが、そこで思い出されるのが07年のレース。武豊騎手が同じく「メイ
ショウ」のメイショウサムソンで4回目の秋の盾制覇となった一戦を振り返る。
実はメイショウサムソンの天皇賞(秋)への参戦は、春終了時点で計画されていたものではなかった。当初は凱旋門賞に参戦予定だったが、出国直前になって馬インフルエンザに感染。前哨戦に予定していたフォワ賞に間に合わないために遠征を断念し、秋は国内に専念することになったのだ。
こうして迎えた天皇賞(秋)、鞍上はデビューから18戦連続で騎乗していた石橋守騎手から、フランス遠征でコンビを組む予定だった武豊騎手に乗り替わることとなった。レースでは最内1番枠から好位のインを確保。そして4角で内からスッとポジションを上げると、残り400mで先頭に立つ。少し早めの立ち回りにも思えたが、ここから持ち前の持久力を発揮。終わってみれば2着の
アグネスアークに2馬身半差をつける完勝で、4つ目の
ビッグタイトル獲得を果たしたのだった。
あれから17年、メイショウサムソンは昨年11月に、そして松本好雄オーナーは今年8月に永遠の眠りについた。迎える今週末の天皇賞(秋)、武豊騎手は
メイショウタバルでGI連勝を果たし、天国に吉報を届けることができるか。「青、桃襷、桃袖」の勝負服を身にまとった名手の、渾身の手綱捌きを楽しみにしたい。