デイリー杯2歳Sを制したファストタテヤマ(c)netkeiba
00年代の中長距離戦線において欠かせない存在だったのが
ファストタテヤマだ。そんな個性派が重賞初制覇を果たしたのは意外にもマイル戦。8番人気の低評価を覆して勝利を収めた01年のデイリー杯2歳Sを振り返る。
ファストタテヤマは父ダンスインザダーク、母メインゲスト、母の父ターゴワイスの血統。近親にはサクラバクシンオーやアンバーシャダイ、イブキマイカグラといったGI馬が並ぶ血統馬だった。01年9月に札幌でデビュー。初戦は2着、中1週の2戦目は3着だったが、そこから連闘で挑んだ3戦目で初勝利を手にした。ここで陣営は勝負手を打つ。休ませることなく栗東に戻し、中2週でデイリー杯2歳Sに参戦したのだ。
フルゲートの16頭立てとなった一戦、上位人気には既に重賞やオープンで結果を出している馬が推された。そんな中、新馬を勝った直後の
ファストタテヤマは単勝28.2倍の8番人気だったが、実績を考えれば当然でもあった。ゲートが開き、道中は最後方から。安田康彦騎手は一か八か、直線にかける競馬を選択した。迎えた直線、ダンスインザダーク産駒の伏兵はグイグイと脚を伸ばした。そしてゴール寸前、逃げ粘る
ホーマンウイナーをハナ差捕らえてゴール。鮮やか過ぎる直線一気で重賞初制覇を果たしたのだった。
この勝利がフロックでなかったことは、改めて言うまでもない。翌02年には京都新聞杯を制し、菊花賞でもヒシミラクルからハナ差の2着に健闘。その後も8歳まで中長距離の
メインステージで戦い、名
バイプレーヤーとして名を馳せたのだった。