11月3日(祝・月)に船橋競馬場で行われるJBCスプリント(3歳上・JpnI・ダ1000m)。ダートの
スピードを決する一戦で、過去の勝ち馬にはサウスヴィグラスや
ダノンレジェンドなど、種牡馬としても存在感を示す名馬が並ぶ。
船橋競馬場にダ1200mの設定はあるが、コース形態などの兼ね合いでダ1000mが舞台となる。日本国内のGI級競走では、2010年の同レースと並び過去最短タイ。究極の
スピード勝負を制すのはどの馬か。発走予定日時は3日(祝・月)の16時10分。主な出走馬は以下の通り。
■
ママコチャ(牝6、栗東・池江泰寿厩舎)
23年のスプリンターズS覇者が電撃参戦。父は01年のジャパンカップダート覇者クロフネ、母はダート4勝の
ブチコで、近親には
ハヤヤッコや
アマンテビアンコ、
ソダシなどがいる。一族には砂で結果を出した馬も多く、血統的には通用の可能性がある。今年も高松宮記念で3着に入ったほか、京王杯SC、
セントウルSで2着に健闘した。6歳を迎えた牝馬だが、まだまだ全盛期の能力を維持しており、新たな舞台でもうひとつ
ビッグタイトルをつかみたい。
■
コパノパサディナ(牡5、船橋・森泰斗厩舎)
昨年春のOP入り後はクラスの壁に当たっていた印象だが、今夏には福島テレビ賞で3着、NST賞で2着と見せ場。前走から地方に所属を移し、兵庫ゴールドCで3着に入った。今回から森泰斗厩舎に転厩。騎手として地方通算4448勝を挙げた名手は、地元のビッグイ
ベントで、調教師としての重賞初挑戦を迎える。中央馬、地方馬ともにトップホースが揃い、相手は相当に手ごわいが、アッと言わせることはできるか。鞍上はJRA所属の横山武史騎手が務める。
■
ドンフランキー(牡6、栗東・斉藤崇史厩舎)
600kgを超える雄大な馬体がトレードマークで、昨年のドバイGSで2着に入るなど世界レベルの
スピードを武器とする。23年のプロキオンS、東京盃、24年のクラスターCと重賞3勝を挙げており、うち23年の東京盃では大井ダ1200mのコースレコードを12年ぶりに更新した。今年初戦の根岸Sは他馬と激しく競り合い、終い失速して13着に敗れたが、前半3Fを33.9秒で引っ張り、変わらずのダッシュ能力を見せつけた。ダ1000mの距離なら、持ち味もより生きるはずだ。
■
クロジシジョー(牡6、栗東・岡田稲男厩舎)
父
フリオーソは船橋所属で活躍。08年、10年の帝王賞を制すなどダートGI級競走で6勝を挙げ、NAR
グランプリ年度代表馬に4度も選ばれた歴史的名馬だった。主に中距離で活躍した父とは異なり、息子は短距離路線で成果を残し、ダ1200mとダ1400mで計7勝を挙げている。OPクラスでも今夏にNST賞を制した。いっぽう、重賞では惜しい結果が続いており、前走の東京盃を含めて2着4回で未勝利。船橋に縁がある実力馬が、晴れ舞台で待望のタイトルをつかむか。
■
ファーンヒル(牡6、大井・荒山勝徳厩舎)
JRA所属時にダ1200mで4勝を挙げたが、昨秋以降は二桁着順も増え、今年の夏から大井競馬に移籍。すると、新しい環境でふたたび花開いた。転入初戦の習志野きらっとスプリントを3馬身差で圧勝すると、続くアフター5スター賞も2馬身差で制し、JBCスプリントの有力候補に浮上。今回と同じ船橋ダ1000mで勝ち星がある点も大きな強味になる。荒山師にとっては17年
ララベル、笹川騎手にとっては23年
イグナイター以来となる2回目のJBC制覇を狙う。
そのほかにも、8月にクラスターCを制した
サンライズアムール(牡6、栗東・小林真也厩舎)、復活を期す
チカッパ(牡4、栗東・中竹和也厩舎)、ダート初挑戦の
テイエムスパーダ(牝6、栗東・小椋研介厩舎)などが出走を予定している。