「天皇賞(秋)・G1」(11月2日、東京)
 初の古馬勢との対戦へ、状態は上向きだ。皐月賞馬
ミュージアムマイルは29日、栗東坂路で併せ馬を行い、リズムの良い走りで併入。3歳馬の勝利は過去5頭と決して簡単ではないが、世代を引っ張る一頭として恥ずかしい走りはできないし、するつもりもない。昨年2着の
タスティエーラはレーンを背に美浦Wで最終調整。新潟記念で競走除外となった
クイーンズウォークもしっかり立て直し、順調さをアピールした。
 古馬の壁を打ち破り、さらなる高みへと到達してみせる。皐月賞馬
ミュージアムマイルは、これまでのレース当該週と同じく栗東坂路での最終追い。
ワンダーディーン(2歳1勝クラス)を少し先行させて、リズム良く追走し、最後気合をつけられるとスッと伸びて併入した。
 「疲れを残さないよう、最後だけ伸ばしましたが、息の入りや雰囲気は良かったです。時計も指示通りで良かったと思います」と高柳大師。4F53秒8-38秒6-12秒3というタイムは、セントライト記念時の4F53秒9-38秒4-12秒1とほぼ同じ。しっかりと折り合いがつき、それでいて前進気勢も出ていた。「叩いた方がパフォーマンスが上がる馬ですからね。いい状態で送り出せます」。休み明けの前走を叩かれて、状態は上向いているようだ。
 近2年は3歳馬の出走自体がなかったが、21、22年と3歳馬が連勝。その勝った馬は
エフフォーリアと
イクイノックスで、ともに同じ年の有馬記念も勝ち、年度代表馬にも輝いた逸材だ。指揮官は「3歳馬で挑戦することはすごいことで、勝ってきた馬もすごい馬。ここでいい結果を残して、次の流れに乗れたら」。古馬とは初対戦で試金石の一戦となるが、ここで盾を手にできるようなら現役最強馬の称号も見えてくる。
 距離を考慮して出走しなかった先週の菊花賞は、兄である高柳瑞師が管理する
エネルジコが勝利。「めちゃくちゃ強かったですよね。『おめでとう』とメールを送りました」。兄に続いて、今度は自分の番。高柳兄弟が、2週連続でG1をジャックする。