◆第172回天皇賞・秋・G1(11月2日、東京競馬場・芝2000メートル、良)
G1馬7頭など実力馬がそろった伝統の中距離戦は14頭で争われ、1番人気の
マスカレードボール(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎、父
ドゥラメンテ)が、G1初制覇を飾った。
メイショウタバルが逃げてペースをつくるなか、道中は中団。直線残り100メートルで先行勢をとらえると、外から伸びる後続も振り切った。勝ちタイムは1分58秒6。
2歳時はアイビーS、今年は共同通信杯と東京で2勝。春は皐月賞3着、日本ダービー2着と世代トップクラスの力を見せてきた。今回はダービー以来5か月ぶりのレースで、年長馬も撃破して初タイトルをつかんだ。3歳馬(1938〜86年は出走できず)のVは37年
ハツピーマイト、96年バブルガムフェロー、02年シンボリクリスエス、21年
エフフォーリア、22年
イクイノックスに続く6頭目の快挙となった。
初コンビのクリストフ・ルメール騎手は、秋華賞(
エンブロイダリー)、菊花賞(
エネルジコ)に続く3週連続のG1制覇で、天皇賞・秋は18年
レイデオロ、19、20年連覇の
アーモンドアイ、22、23年連覇の
イクイノックスに続く6勝目。
2着は3番人気で、3歳馬の
ミュージアムマイル(クリスチャン・デムーロ騎手)、3着は8番人気の
ジャスティンパレス(団野大成騎手)が入った。
菅原明良騎手(
セイウンハーデス=7着)「取った位置を守りたかったのですが、気持ちが散漫でそこを保てませんでした。しまいは伸びているし差はなかったので、今日は位置取りがすべでですね」
ダミアン・レーン騎手(
タスティエーラ=8着)「いいスタートを切って、好位で競馬ができた。ペースが遅いので、長く脚を使えるように早めに動いていった。その分、最後は疲れてしまった。いい展開にならず、この馬のベストを出せなかった」
川田将雅騎手(
クイーンズウォーク=9着)「とても具合が良く、自分のリズムで競馬をしてくれましたが、おとこ馬は強かったです」
戸崎圭太騎手(
ブレイディヴェーグ=10着)「出遅れて後ろになってしまったし、スローペースだったので…。折り合いはついていたけど、今日のところは残念です」
三浦皇成騎手(
エコロヴァルツ=11着)「いいポジションを取れて流れに乗れました。思ったよりペースが落ち着いて、3コーナー過ぎから上がっていきましたが、切れ味勝負で分が悪かったです。ほしいポジションは取れたのですが、もう少し流れると思っていました」
牧浦充徳調教師(
エコロヴァルツ=11着)「スローの中でずっと道中も力んでいましたし、直線もみんなが早めにくるヨーイドンの競馬になってしまいました。(
シランケド同様)この子にとってもしんどい流れでした」
津村明秀騎手(
コスモキュランダ=12着)「いいスタートを切れて、枠を生かして理想通りの競馬ができました。ペースが遅くて展開が向かなかったけど、収穫はありました。チークも効いていたし、次が楽しみです」
岩田康誠騎手(
ホウオウビスケッツ=13着)「ペースが遅かった。自分のペースで行けばよかったけど、向こう(
メイショウタバル)の方がスタートが速かったんでね。番手でも折り合いがつけば違ったけど、道中で力んで力を出せなかった」
丹内祐次騎手(
ソールオリエンス=14着)「いいところにつけられたと思ったけど、この馬には流れが落ち着きすぎました。最後は伸びてくれています」