◆第50回エリザベス女王杯・G1(11月16日、京都競馬場・芝2200メートル)
ステレンボッシュ(牝4歳、美浦・国枝栄調教師、父
エピファネイア)で挑む国枝調教師は、JRA牝馬G1完全制覇のラストチャンスとなる。牝馬G1の勝利数自体も勝てば、12勝で並んでいる松田博資元調教師を超え、歴代単独最多となる。来春に定年引退を控える名伯楽は「まだそういうのが残っていたか。じゃあ、ルメさんに言っておこう。“冥土(めいど)の土産”でコンプリートしてくれって」と冗談交じりの国枝節で意気込んだ。
これまで延べ8頭を送り出して10、11年の
アパパネの3着が最高。最も印象に残っているのが10年で、史上3頭目の牝馬3冠を達成した勢いで自信があったという。「これはいけると思っていたのに、瞬間移動のように抜け出して勝った
スノーフェアリーにはビックリしたね。ライアン(ムーア騎手)も見事だった」と驚きと悔しさが刻まれた一戦を忘れていない。
ルメールが騎乗した5日の1週前追い切りの後、すぐに鞍上から連絡があったという。「電話してくるくらいだから、(感触が)良かったんじゃないの」と国枝師。あとは優勝請負人の腕に託すのみだ。(坂本 達洋)