マイルCS2025に出走予定のマジックサンズ(今年10月撮影、ユーザー提供:Spice Upさん)
武豊騎手が
マジックサンズ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)で、マイルチャンピオンシップ(3歳上・GI・芝1600m)の12年ぶり3勝目を狙う。
幾多のGIを制してきたレジェンドだが、マイルCSは長らく鬼門だった。89年のバンブーメモリーはオグリキャップとの死闘の末、ハナ差の2着。03年は名牝
ファインモーションで挑んだが、大外強襲のデュランダルに屈し、やはり銀メダルに終わった。待望の初制覇は21回目の参戦だった12年の
サダムパテック。JRAのGI完全制覇に向けて、この時点でのリーチをかける貴重な勝利だった。そして続く13年に
トーセンラーで連覇達成。その後は苦戦が続くが、ほとんどが伏兵での参戦だった点は心に留めておきたい。
今年の騎乗馬は
マジックサンズだ。24年の札幌2歳Sの覇者。その後はホープフルSが16着、皐月賞が6着だったが、ここでマイル路線に舵を切ったことが吉と出た。武豊騎手との初コンビとなったNHKマイルCSでは、後方から最内を鋭く伸び、
パンジャタワーからアタマ差の2着に健闘。世代トップクラスの能力を示した。秋初戦、そして古馬との初対決となった前走の富士Sでは10着に沈んだが、敗因は引っ掛かったことと明白。今回も折り合いがカギとなるが、勝負所までスムーズに運ぶことができれば上位争いになっていい。
武豊騎手は「俺の庭」と称する京都で19年菊花賞の
ワールドプレミア以来、6年ぶりのGI制覇となるか。まだまだ衰えぬ手綱捌きを、多くのファンに見せつけてほしい。