ジャパンカップ2005に出走したアルカセット(撮影:下野雄規)
今年の
ジャパンCには海外からG1・3連勝中の
カランダガンが参戦予定となっている。ただ、外国馬は長らく日本馬の壁に跳ね返されていて、直近の勝利は20年前の05年。L.デットーリ騎手に導かれたアルカセットが、ハーツクライの猛追をハナ差凌いだ一戦を振り返る。
この年の
ジャパンCはゼンノロブロイが主役だった。単勝2.1倍の圧倒的な1番人気。とはいえ、GI・3連勝を果たした前年秋に対し、この年は宝塚記念が3着、インターナショナルSが2着、そして前走の天皇賞(秋)が2着という戦績での参戦だった。2番人気以下はGI・2着2回のハーツクライ、サンクルー大賞覇者のアルカセット、菊花賞2着のアドマイヤジャパン、英国の女傑
ウィジャボード…と続き、どの馬にもチャンスがありそうな雰囲気だった。
レースは前々年の覇者のタップダンスシチーが大逃げを打ち、前半1000mが58秒3のハイペースとなった。3F目から8F連続で12秒0以下のラップだから、全く息が入る所はなし。これでは早めに追いかけた馬は苦しい。直線に向いて内から
ウィジャボードが伸びてきたが、残り200mで脚色が鈍る。かわって先頭に立ったのがアルカセットだ。デットーリ騎手の右ムチに応えて押し切りを図る。これを目掛けて外からゼンノロブロイ、そしてゴール前で内からハーツクライが強襲。最後はアルカセットとハーツクライが馬体をピタッと並べてゴールしたが、写真判定の結果、僅かにハナ差でアルカセット&デットーリ騎手に軍配が上がったのだった。
これがラストランとなったアルカセットは06年から日本で種牡馬となったが、残念ながら目立った活躍馬を送り出さなかった。一方、2着のハーツクライは続く有馬記念でディープインパクトを下し、遂にGIウイナーとなる。さらに06年にはドバイシーマクラシックも制覇。種牡馬としても大成功を収め、日本の競馬史に確かな足跡を刻んだのであった。