「浦和記念・Jpn2」(26日、浦和)
2番人気の
ホウオウルーレットが鮮やかに重賞2連勝を決めた。1番人気の
ロードクロンヌが2着。3着に7番人気の
デルマソトガケが入り、JRA勢が上位を独占した。25日に急死した国内外G1・7勝馬
ジェンティルドンナの弟
スレイマン(4番人気)は発走直前のゲート突進も響き、離されたしんがり負けとなった。
大一番で数々のイン強襲を決めてきた岩田康の真骨頂。
ホウオウルーレットが内から鮮やかにVゴールを駆け抜けた。
キャリア26戦目にして初めての地方競馬場。小回りへの対応が課題だったが、それも杞憂(きゆう)に終わった。終始、中団の外めに位置。2周目の3角手前で鞍上が内へ導くと前を行く3頭を射程圏に入れた。直線で逃げた
クラウンプライドの内へ潜り込むと、ラスト100メートルで先頭へ。あとは鞍上の左ステッキに応えて1馬身半差抜け切った。
全7勝のうち4勝目と相性の良さも発揮した岩田康。今回は4戦連続のコンビに「いつもは後ろからだけど、地方の馬場だし(位置は)1頭でも前へと。その通りに馬も頑張ってくれたね」と相棒の走りをたたえ、前走の
シリウスSに続く重賞連勝を喜んだ。
自身にとって地方競馬での勝利は同じ浦和の2021年オーバルスプリント以来。浦和記念自体も3勝目。「久しぶりに浦和で乗せてもらって勝たせてもらって…楽しませてもらいました」と51歳のベテランは満足そう。
もともとデビュー2連勝の好素材も、長く低迷が続いた。それが今夏以降は覚醒。6歳秋にして待望のタイトルをつかむと一気に勢いに乗った。21年
アルクトス(さきたま杯)以来、浦和での重賞2勝目となった栗田師。直前まで賞金面で出走は微妙だったが「ここを目指してきたので出走できて良かった。賞金を加算できればと思ってたけど、1着とは。うれしいです。ジョッキーの好判断も良かった」。“うれしい誤算”に自然と笑みがこぼれた。
この後は「年末の大きいところ(東京大賞典=12月29日・大井)に出られればいいけど、賞金的にどうか」と引き続き不安は残るが、晴れて出走となれば、この勢いは台風の目になるだろう。