ダービーで火花を散らした2頭が再び府中で相まみえる。世界と日本の強豪が集う「第45回
ジャパンC」の最終追い切りが26日、東西トレセンで行われた。美浦では前走天皇賞・秋を制した
マスカレードボールが坂路で出色の脚さばき。G1連勝へ好調ぶりをアピールした。栗東では出否未定だった今年のダービー馬
クロワデュノールがCWコースでハツラツとした絶好の動きを披露。正式に出走が決まった。
26日の美浦トレセンは早朝から真っ白な霧に包まれていた。そんな中、力強い脚取りで姿を見せた
マスカレードボール。開門直後、コースから坂路へ向かい熱のこもった併せ馬を消化した。
序盤は外
ツルマウカタチ(4歳2勝クラス)を1馬身追走。楽に馬体を併せると、一時は抜きかけるほどの手応え。びっしり追われた僚馬とは対照的。余力十分に併入した。4F53秒0〜1F12秒4。手塚久師は「全体時計を見ると、まずまず動いていたかな。ラスト1Fは相手に合わせたので、それほど速くないが動き自体は良かった」と納得の表情を浮かべた。
「彼が良い精神状態でゲートインできるように」と、中間はメンタル面を入念にケアしながら稽古を積んだ。前走は1週前、最終追いとも木曜だったが、今回はともに水曜追い。今週は月曜が競馬開催日だったことで、水曜に追い切る馬が少なくなることを見込んでの判断だった。狙い通り、落ち着いた様子で引き揚げてきた愛馬。師は「中3週で、どうしてもピリついているところはあるが逆に一回叩いた上積みというか、馬が戦闘モードに入っている感じ。悪いように受け取っていない。状態は問題ないし肉体面も上積みがある」と仕上がりに自信をのぞかせた。
18年
アーモンドアイ以来、7年ぶりの3歳馬Vが懸かる一戦。牡馬に限れば10年
ローズキングダム(2位入線も1着
ブエナビスタが降着)までさかのぼる。前走の勝利後「世界に名をとどろかせる名馬になってほしい」と期待を込めていた指揮官。G1初制覇を果たした府中で、そのチャンスが巡ってきた。「今回は世界ランキング1位の馬、ダービーで先着を許した馬、年長のダービー馬もいるので胸を借りる立場」としつつも「スタートを無難に出てくれれば。ポジションはルメールさんにお任せで」と名手に夢の実現を託した。