「第45回
ジャパンC」(30日、東京)の出走馬と枠順が27日、確定した。昨年2着同着だった
シンエンペラー(牡4=矢作、父
シユーニ)は8枠16番から悲願のG1タイトルを目指す。
昨年の忘れ物を取りに行く。
シンエンペラーは昨年、2着同着だった
ジャパンC以来となる国内戦。この秋は昨年同様、凱旋門賞挑戦を目指し、愛チャンピオンSに参戦。直線、持ち前の末脚を発揮することなく6着に敗れた。本来の実力を発揮できずじまいの不可解な敗戦。陣営はレース後、現地で内視鏡検査を行い、喘息(ぜんそく)と中程度の肺出血が判明。大目標に掲げていた凱旋門賞への参戦は見送られた。
担当の吉田一助手は「レース後、上がってくるとさすがにしんどそうだった。海外では特に呼吸を気にする習慣があるので、すぐに検査をすることになった。結果は残念だったけど、(疾病に)気づくことができたことは不幸中の幸いだったと思う」と振り返った。
今月8日に栗東トレセンへ帰厩。呼吸器系の疾病だったため最善の策を整えた。厩舎全体のほこりを最小限に抑えるために馬房内には大きいサイズのウッドチップを敷き詰め、吸引器を使うなど、あらゆる手段を施した。
吉田一助手は「(以前に使っていた素材では)凄く細かいホコリが馬房の中を舞っていた。(使用しているチップは)体に付着してもすぐに取り払えて手入れがしやすい。今回の遠征で今後このような事象が起きても、対応できる適応力が身についた。厩舎全体のレベルもさらに上がったと思う。一丸となってやれることはやってきた。今のところ喘息は大丈夫です」と順調ぶりを伝えた。
国内外のG1挑戦9度目で待望のタイトル獲得を目指す。「直線の長い東京は合っている。近年に比べて相手はそろった印象だが、この馬にタイトルを獲らせてあげたい」。苦楽をともにした相棒に厚い信頼を寄せる。米BCクラシックを制した
フォーエバーヤングと同じ藤田晋オーナー&矢作師&坂井のトリオが、今度は東京を沸かせる。