「第70回桜花賞・GI」(芝1600m)は11日、阪神10Rに18頭で争われ、1番人気に推された蛯名騎乗の2歳女王{horse=2007103234:アパパネ}が、レースレコードの1分33秒3で優勝。2着は逃げた3番人気のオウケンサクラで、3着は11番人気のエーシンリターンズ。4着のショウリュウムーンまでの上位4頭が、オークス(5月23日・東京)の優先出走権を獲得した。
「馬場が良くて前が止まらない。流れに乗りたいと思っていた」。蛯名の判断で、道中は5番手を確保。やや掛かり気味だったとはいえ、ポジションは理想的だった。直線は必死に追うのみ。「何とか前を捕まえたい。いいタイミングで前に出ることができた」。ほぼ完ぺきなレースぶりで85年エルプスの木藤隆行元騎手以来、25年ぶりの関東所属騎手による桜制覇を達成した。
厩舎も快挙を支えた。当日の馬体重はプラス6キロで臨んだ始動戦のチューリップ賞から、さらにプラス2キロ。「すべて順調にきていた。筋力が増えた分」と栗東留学のノウハウを知る国枝師に焦りはなかった。自身初のクラシックV、そして7勝目にして初の1番人気でのGI制覇。「緊張したけどなあ」と笑顔で喜びをかみしめた。
次走は府中の杜、オークスへ。「距離は心配してもしょうがない。対応できるように」と師が言えば、蛯名も「またチャレンジするつもりで」と表情を引き締める。待ち受けるのは未知の距離。それでも、歴史に名を刻んだ強力なスタッフのスクラムなら難しい挑戦ではない。
提供:デイリースポーツ