美浦坂路で単走追いの
シンボリグランは序盤から馬任せに好ラップを刻み、最後まで鞍上が手綱を抑えたまま駆け抜けた。全く無理をすることなく、4F49.4-35.6-11.6秒。この日の一番時計を楽々とたたき出し、好調さを存分にアピールした。
常に時計が出るタイプとはいえ、力強さと好タイムが同居したこの日の追い切りは文句なし。畠山吉師の表情が自然と緩むのも当然だろう。「4F50秒くらいの予定だったからいいでしょう。確かに走りやすい馬場状態だったけど、しまいは気を抜かせない程度で11.6秒。この馬のいいところが出た攻め馬だね。ここを目標に順調に過程を踏めた」と万全の仕上がりに胸を張る。
ただ、老いてもいまだに気難しさは残る。その点、前走に引き続き岩田が騎乗するのは心強い。今回勝てば4年半ぶりの同一重賞Vとなり、JRA新記録を更新する。「3歳のCBC賞以来か。この馬らしくていいんじゃないかな。スムーズに流れに乗れれば、結果はついてくる」とトレーナーは愛情にあふれた笑みを浮かべる。長らく一線級で活躍した馬にだけ許される快挙達成へ。期待を胸に淀へ向かう。
コスモベルは優先出走賞金順での除外は確定的だが、ハンデ優先(ハンデから定量を引いた、斤量の重い上位3頭に与えられる)での狭き門での出走を願う。栗東坂路で4F51.9-36.8-12.5秒。「ケイコはいつも動く馬だが、休み明けは冬毛が目立っていた。暖かくなって体調は上向いている」と山本助手。スムーズな競馬で巻き返しを図る。
提供:デイリースポーツ